水戸芸術館の展示を見てきました。
「年パスがあるから」みたいな軽い気持ちで出かけましたが、思いがけずライブを見ることができたので、それについて書き残したいと思います。
まず。
毎度何かの時に書いてますが、現代美術を見るともやもやするんです。
もともと、理屈を求めてしまいがちだから。
そして、多分、考え方のルートや見ている先が芸術家の方と違うから。
まぁ、その「もやもや」を起こさせるのが現代美術だと気づいたので割り切って見に行ってます。
なので、他の人が「よかった」とか「感動した」みたいに言ってても、「違うだろ」なふうに自分は思ってもいて。
それが、普段芸術に接点がない自分に「違うだろ」と思わせて、その後ももやもや考えさせた作家さんの勝ち、みたいなふうに考えてますから、多分、こういう見方の人がいることについても満足いただけてるのではないかと思います。
…
というわけで、最初に入った展示室から、大きく描かれた墨の表現などを見ながら、「折りたたんだところがくっついちゃったから、ちょこっとやぶれてるじゃん」みたいなうがった見方をしつつも、展示室をまわります。
5つ目の部屋に入ったところで音が流れていて、いくつもののアンプ、3つのギター、ベーゼンドルファーのピアノ、そして奥に印刷機がある展示室にちょっとくぎづけになりました。レコードから音楽も流されました、それらの音が。
機械の連続音が音楽のよう、というのは自分にもわかります!
印刷機が置いてあるだけでなく、音関係ないのに紙束なんかも棚に置いてあって。
なんか気になって、この演奏(レコートだけど)がいつ終わるんだろうと思って見て聴いていたら、いつの間にか二人の男性が展示の中に入って、そこにあるもので演奏を始めました。
印刷機を動かしているのは、Tシャツに「しがない男」と書かれた、多分ご本人。
帽子のギタリストさんとの共演でした。
ギターをどういうふうに演奏してるのか(指やペダル使い)、どう機械と合わせるのか気になる一方で、マイペースに見える印刷機担当の方。
どう曲に変化をつけるのだろう、どう終わるのだろう、なんか気になって終わりまでいました。
裏からも見ました(区切られた板の一箇所に小窓がわざわざあるのは、見ても良いということ?)。
地上の機械による活動と、天上からの不規則なキラキラした雲か光か、みたいなイメージを持ちながら聞いていたら、終わらないような曲も終わりを見せました。
後でちらしを見たら、このライブは不定期だったそうで、運が良かったです。
墨文字より気になったのは、洋裁の型紙や切り抜きなどを合わせたものでした。
やってた人なら、やってた人を見てきた人なら、わかる、この、包装紙で作った型紙や図案やハギレの大事さ日常さ、みたいな。
そういうわけで、まぁ、現代美術なのでよくわかりませんでしたが、上に書いた「おぉ!」と共感したものも含めて「やっぱりわかんないよ」ともやもやしつつも、最後のお部屋の言葉が、私の全体の印象をしめくくってくれました。