卒業対策委員会

昨年度一年間、学校では卒業対策委員会の委員長をしておりました。

年々、「PTAっておかしいんじゃないか?」っていう話がメディアでも増えてきていて、PTAについていろんな意見や実例が語れられるようになってきましたが(朝日新聞のアンケートすごい数になってます。私ももちろん答えました)。その一例として、昨年度の卒対の活動がどうだったかをちょっとだけ書き残しておこうかなと思ったということです。

といっても、卒業対策委員会はPTAとは微妙に違います。例えばうちの学校では「子ども一人につき1回」というノルマからは外れて、委員にはやりたい人がなり、定員も決まっておらず(およその数のみ)、会計はPTAとは別に集めるシステムで、繰り越しもできません。負担が増えるという意味では一緒なのでやりたい人がいっぱいいるというわけではないのですが、「最後なんだからみんなのために何かしても」と考えてくれる方もいるような感じです。

4月に入ってから委員の募集がかかり、5月に顔合わせ&引き継ぎ(これまでの活動の説明)をしてから、仕事が始まります。

いきなりの難関は、予算案づくりでした。その前の3学期の時から、学年主任だった先生に「卒業対策費はこんな感じで集めて使ってますが、こんなに事業は(他校と比べても)いらないと思います」と言われたので、先生もそういう意見なら総額を減らせるだろうと甘く見てました。改めて相談すれば事務の先生からの「今からでは引き落とし金額が減らせません!」の一言で、早々に却下です。

それなので、本当に必要なことに比べて多すぎる予算をいかに有効に納得いってもらうような使い方ができるかが、最大の悩みでした。だって、みなさんのお金を預かっているわけですから。

絶対に必要なのは、卒業アルバム(これが予算の半分以上を占める)や卒業式の時に先生にお渡しする花束等です。

一方で、記念品や祝菓子や各家庭へのお花などは、ものによっては別になくても、簡素化してもいい項目です。別に、辞書みたいなものはみんなと同じものをもらう必要ももうないでしょう? お下がりや別なところからのプレゼントが決まってる方もいらっしゃるでしょうし。卒業の記念品やお菓子とか言っても、結局はみなさんの口座から引き落とされたお金から出ているのであって、どこかの誰かからの「卒業おめでとう」なプレゼントではないのです。「みんな同じ物」なんていうのはやめて、各家庭、卒業お祝いにそれぞれでお好きなものを買えばいいのです。

ということを考えていると、上の方から「急にもらえるものが減ったら子ども達がかわいそう」な声ももれ聞こえてきましたがあっさり無視し、委員の話し合いで、自分たちが「これは必要だ」と思うものに使い道を絞りました。結局は「(持ち帰るかは別として)式場を飾るのに花は必要なのです」みたいな現実の意見もあって、大幅に減らせたわけではありませんでしたが。

そして、余ったお金は授業で使う教材費の不足分の足しにまわりました。この「足し」の分が、今年度から引き落とし金額の減額につながることになったそうです! 教材費が年度末に不足したらどうせ改めて集めるので…。がんばったかいがありました。

1年間で集まった回数は10回くらい。でも、「出られる人だけで」あとは(写真つき)メールで連絡、など、無理強いはしない方向でやってきました。半分から7割くらいの出席率の日もあったでしょうか。


こんな感じで、次年度の予算(みなさんの負担)の削減、事業内容の削減、につなげられたのは、先生方の「これってやりすぎじゃないか? 学校でやることに合わないのではないか?」という意見と、「ではさっさとやめましょう」と言える私と、同じようにPTAの活動について疑問を持つ、一緒に卒対委員をやった友人の後押しがあったから、ではないかと思います。

繰り越し金も出せない、1学年間だけの卒業対策な活動であったのでこんなことができたわけで、本丸であるPTAにこんな改革が通じるとは思えませんが。

もちろん、作業量が多くて持ち帰ったこと、学校からのデータをもらうのに苦労したことなどありましたが、子どももお世話になった同学年のお友達みんなのために、活動(というか卒業に向けてのお世話)を通して少しでも何かができたかと思う、そんな満足感がある1年間だった気がします。