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サイエンスカフェ開催の壁

科学技術コミュニケーション

ずっと下書きが書きかけのまんまだった話題です。見返せば、7月に投げかけられていた疑問でした(すみません)。

twitterでいただいた質問についでなのですが、いろいろ説明も長くなりそうなので、こちらにまとめたいと思います。

「普通の主婦向けのサイエンスカフェ、切望しています」
http://twitter.com/#!/tatamie104/status/93868381089955840

というtatamie104さんのツイートに対して、私が、

「「やりたい」の次にある壁がいろいろありすぎています」
http://twitter.com/#!/cam_ob1/status/93873449843441664

と答えた、その「いろいろ」の中身について、ちょっとまとめておきたいと思います。結局は、以前にあるサイエンスカフェの方がつぶやいてたとおり、「場所」「金」「広報」なんですが。その次に私の場合は「専門家とのつながり」があります。以下、それぞれについて簡単に。


(1)場所代がかかる!

kikumaco先生は「なじみの喫茶店があれば」とおっしゃっておりましたが、そのなじみを作るのが大変です。ある方は、(地方では探しやすいけど)「東京で探したけど大変だった」なんてことも話してました。さらに、相当になじみがないとあれこれ融通はきかせてくれないとと感じております。規定の場所代がかかってくれば、そのお金をどこからか工面せねばなりません。私自身が過去にお世話になったあのお店はまだお安い方で、先日下見をさせていただいた場所は、その倍くらいの感触でした(交渉次第かもしれませんが)。

ちなみに、私自身が考えるスタイルなら、大学キャンパス内での開催は論外です。参加者が大学に行かなくていいのがサイエンスカフェだと思っているので。


(2)参加費をいくらに設定してよいか悩む!!

ここが一番悩みますよね。悩んでないところは、相当にお金持ちでしょう(そして無料のが開催できる)。

基本的に、場所代、飲み物代に加え、ゲストになんらかの謝礼をするならば、それがかかります。補助金などがないならばそれらを参加費で割るのがスタイルでしょうが、それだけだと、ファシリテーター(司会、主催者)の仕事に対しては何も出ないことにもなります。

まだこのようなコミュニケーションの価値が伝わっていないともいえますが、この不景気な世の中、何千円もお金を払って科学の話を聞いたりできるというのは、どうなのかなとも思うわけです。もちろん、高すぎると「気軽に」の意味が失われてしまうかもしれません。

ここで。

えっと、随分と長くお蔵入りさせたままで非常に申し訳なかったのですが。昨年のサイエンスアゴラ横串フィールドにて、私から、「サイエンスカフェ、いくらがいい?」というシール式アンケートをとらせていただきました(id:camelopardalis:20101127)。その結果をここで出してみます。


上の写真が、当日の結果。下はそれをグラフにしたものです(エクセルでグラフ作り、下手ですみません)。シールは大小や重ねなど関係なく、1枚を1カウントとしました。0〜1000円までは100円きざみで、次から、1500、2000、3000、それ以上(その他)になっています。写真右下のコメントは「全額自由のお布施制で」です。

はっきり言って、アゴラ参加者が対象ですから、科学技術に関心ある人、また、科学イベント開催側として苦労(?)している人が多くいる場でのアンケートにも関わらず、低価格なサイエンスカフェを希望する、または、低価格で当たり前、と思っている人が多いことがわかりました。実際、シール貼りながら「タダが良いに決まっているでしょう!」と断言される人いらしゃいました。一番山の高いところの500円じゃ、飲み物代にしかなりません (T_T) 

1000円より大きいところに貼る人は、なんとなく、開催者側に多かったように見えました。

というわけでこの希望をふまえて低価格で開催してみたとして。「価格破壊だ」「そんなんじゃコミュニケーター職業なんてダメだ。買い叩かれてる!」など、関係者から悲観や文句が出るでしょうか。でも、お客さんが来ないとイベントとして成り立ちませんから、強気に出られないというのも本当のところです。

あとは、どこかから補助金もらってくる努力、しかないでしょうかね…。とすると、そのどこかの希望に沿わない活動はしにくい、かもしれません…。


(3)広報して人を集めなければ!!!

お金や場所の問題がクリアできたとして。人が集まらなければ意味がありません。広報は、ネットを使ったものから紙もの、そして口コミまで、各カフェが工夫されていることでしょう。

ただ、回を重ねるうちに、常連ばっかりになったり、科学好きで意見が似通った人が集まっていても、意味がないのではとも思います。

私も数度のサイエンスカフェ開催を経験してみて。「この人数集まらないと赤字だ!」という恐怖は常にありましたね。


そしてさらに、これは無所属な私がやってるからかもしれませんが、

(4)ゲストが簡単に呼べない…orz
という悩みもあります。先生とつながりありません。

「この方にお話してもらいたい!」と思って、思い切ってお願いしたとして、簡単に引き受けていただけるでしょうか? それも、上記のようなお金の問題がある中で。昨年秋のラジオ収録では、その後に、「研究者は研究すべき、そんな活動意味なし」みたいな意見も見て、かなり凹んだものです(id:camelopardalis:20101117)。


というわけで、4点ほど書いてきましたが。そんな壁にぶつかりつつ、悩みながら活動を続けているというところです。

そんな中、大震災があって原発事故があって…。科学技術への関心が高まると同時に、科学技術関係者への信頼も失われていて。そんな複雑な状況下で大切なのは、きめ細かな対話の場(の開催)である、というのはわかるので。自分自身も壁にめげずに進むしかないんですよね。