星に願いを〜七畳間で生まれた410万の星

たった一人ですごいことをやりとげた、なんてすごい人なんだろう…。もちろん、仕事してた時からおうわさは耳にしてました。本が出て、ドラマになって、そのタイトルやら宣伝文句やらを見ると、その超人ぶりに驚くばかりなのですけど。多くの人が見るであろうドラマにして、恋愛話などのフィクションを加味したからなのでしょうか。見終わって、きっと、人間、誰も一人ではない、というのに、やっぱり、そうなんだなぁ、と思わされてしまいました。

堂本剛さんの演技、大平さんが人づきあいが苦手だと表現したいのか、特に前半、あの、ぼーっとした変人ぶり(?)が鼻についてしょうがなかったのですけど。以前の、動物のお医者さんをパクった獣医学生ドラマ(なっちが出てたやつ)を、つい思い出してしまいました。あんなキャラを得意とするのでしょうか? そして、仲代達矢さん演じる解説者の方とのシーンは、古い話ですが、マンガの日渡早紀ちゃんと、早紀ちゃんが通うプラネの藤城清治さんを思い出してしまいました。

と、ここで、「実は私も高校の時にプラネを上映したことがあって、……」なんて書きたくなってしまいますが、足元にも及ばないほどの、しょうもない体験なので、やめておきましょう。私の天文ファン歴は中学くらいからなのですが、近くにプラネがなかったからなのか、これまで、あまり足を運んだことがありません。大学に入っていきなり研究してる世界に足をつっこみ、就職したのは望遠鏡や生で星を見る天文台。なので、あまりプラネの魅力や思い出を語れないのです。

しかし、そういうわけで、「本物の星空を!」という職場にいたせいで、どうもプラネは、本物ではない、バーチャルな体験、やっぱり外に出て星を見ようよ、と思ってる部分もあって、折角のドラマも斜に構えて見てしまうところもあります。先日、子連れでプラネに行った時も思ったのですが、やっぱりドームに投影される星座が小さすぎる…。でも、是非じゃぁ今度は、いつか、メガスターで見てみたいです。街明かりのない星空は見に行くことができても、宇宙で見る星空は、体験したくてもできませんしね。

でも、「星はただ見るだけでいい」と、藤木直人さん演じる研究者も、最後は納得していましたが。私の体験からでは、宇宙のことを少し知るだけでも、見る星空に、宇宙の奥行きが感じられると思うのです。そうすることで、天動説的に、平らな地面から動く天球を眺めている自分から、宇宙に浮かぶ地球にくっつきながらも、星や銀河が浮かぶ宇宙空間に自分も浮かんでいる気分に…。あ、でも、眺めるだけで幸せになれたり、プラネで寝るのも大事な楽しみ方です。夏休み終わって混雑が引いたら、またどこかに子連れで出かけてみましょうか。