銀河座標で星を見る

少し暖かくなってきたので、夜遅くなってからちょっと窓を開けて夜空を見てもいいかな、という気になる日が増えてきました。3月ではありますが、真南にちょうど、オリオン座、おおいぬ座こいぬ座冬の大三角形が見えます。明るい部屋からぱっと見ただけ、目は明るいところに慣れていても、そしてこの街明かりのひどい空でも、2等星くらいはきちんと見えるものです。

なんか、以前は毎日のようにさんざん星を見て、見ていただいて…、あるいは、机の上の仕事でも星図を眺めたり、この星座の向こうにはこんな宇宙の現場があるってことを頭に書き込んでましたが、ここ数年はそんなことを全く忘れてしまうような日々でした。けど、当たり前だけど、星々は少しも変わらずにそこにあるんです。たった数年で自分はこんなに変わったのに。

ところで、オリオン座を眺めていると、肉眼では見えなくてもそこにオリオン大星雲や、電波でしか見えない星が生まれている現場のガス雲を頭の中で思い起こしてしまいます。星ではないけど、ガス雲も確かにそこにあるんだと。

そして、南の空でオリオンは立っていますが…、つい、自分の体を左に傾けて、オリオンが頭を右にして寝たような形にして見てしまいます。そう、銀河系内のガス雲を研究していて、銀河座標でいっつも考えてましたから、普通に星空を見ても未だに銀河座標で考えてしまいます。銀河座標とは、天の川(=私達の太陽系がある銀河)のところを緯度0度にした基準の座標で、銀河の円盤が真横に広がっているイメージです。つまりは、見えている天の川が真横になってないといけないというのです。天の川の中には星がいっぱいあるけど、上下に行くほど(緯度の数が増えるほど)星の数は少なくなるという、まぁ、そんな基準です。(言葉で説明するの難しいなぁ〜) 銀河の中心はいて座の方向です。

だから何が言いたいかっていうと、そういうふうに見ることで、自分自身が、地球の上でもなく、太陽中心の視点でもなく、広大な渦巻き銀河の中のこのあたりの位置、っていう視点で見れるんです。そんな見方がなぜか好きなんですけど。

そういえば、本物の天の川も久しく見てないなぁ〜。