サザコーヒーサイエンスカフェにまた行った

すっかり暑くなってしまった、水戸です。もーすぐ(楽しい? 恐怖の!?)夏休みだし。

さて。先月、ひたちなか市サザコーヒー本店で行われたサイエンスカフェに行ってきたことはブログに書いたとおりですが(id:camelopardalis:20110612)、7月10日には水戸市内で行われるという話を聞き、都合がついたので行ってきました。ひたちなかではなくて水戸市で開催というところも新しい試みです。それに、前回までと違って今回のものは日曜の午後ですから、どのような方が集まるのかなど、内容以外にも気になることいろいろでした。

場所は、水戸駅エクセルビル(北側の以前からある方)の6階レストラン街にあるホールです。

開始時刻の午後2時半に着いて受付を済ませ中に入ったところ、まだ始まる気配はなく、飲み物と小ケーキ(サザオリジナルのカステラ)の配布に時間を取られているといったところでした。いつものお店ではなかったので、不慣れなのは仕方ないかな、といった印象でしたが。というわけで、今回のメニューはこんな感じです。

部屋にいる人の数は、ざっと50名くらいでしたでしょうか。小さなお子さんだけでなく、中学生くらいのお子さん連れの方もいらっしゃいます。一方で、会場に人がた〜くさんいるように見えて、前回同様、最後のテーブルごとの質問時に活躍してもらう原研の研究者の方やそのご家族など、今回のイベント関係者も少なくないように見られました。他にも、サイエンスカフェ水戸を応援してくださるSさん他、見知った顔もちらほらです。

予定時刻をだいぶまわってしまいましたが、まずはサザコーヒー専務の鈴木太郎さんからのお話で始まりました。前回も書いたとおりですが、事故当時はご本人や奥様が大変な不安感を持ち、家庭も暗くなりがちだったそうです。それが、専門家のお話を聞いて“明るい家庭が戻ってきた”というところが印象に残りました。

続いて、東工大、阪大名誉教授の永井さんによるお話です。基本的には前回と同じでしたが、時間が限られていたので短めになってました。あと、6月のサイエンスカフェの後、ウィーンへ出張された時に空港と飛行機内で測られたガンマ線スペクトルの紹介もありました。

その測定装置なんですが。前回見せていただいたのによくメモもせず、後になってめっちゃくちゃ気になったのですが、今回は写真撮影してきました。こんなんです。まるでマッチ箱みたいな(は言い過ぎか? キャラメル箱?)小さな装置をパソコンにつないだだけで、その場のガンマ線スペクトルをとることができます。上の写真はここ室内ですので、バックグラウンド(宇宙線が主?)のなだらかな曲線しか出ておりませんが。先月に中庭をオープンした状態でのサザコーヒーで測った時は、くっきりと、放射性セシウムが出す3つのピークが見えておりました(配布された資料にも同様のものが載っています)。

この小さな装置。イギリス(だったか?)のメーカーのもので、約80万円だそうです。ちなみに、サザコーヒーさんも同じものを購入し、お店で出す飲み物、食べ物の測定に使うようにしたとか。

後でガンマ線スペクトルについて個人的に質問させていただいた時に、「この装置、『今、日本は大変なことになってるんだから』と言って説得して、もっと安くしてもらえたら、学校などで買ってもいいんじゃないの? 教育にもいいと思う」と言われまして…。私は学校のことは決められないけど、「あったらいーなー」と思ったのも事実です。Svはわからないかもしれませんが、そこに放射性セシウムがあるか、放射性カリウムだけなのか、なんかはわかりますからね。

永井さんのお話の後、続いては、前回同様、千代田テクノルさんから線量計のお話がありました。

今回はこんな感じで、実物(の模型?)を触らせてももらえました。このうち、中央のケースに入ってたり、左側にあるものと同じ、ガラスバッジが、実際に福島の子どもたちに配布されて使われ始めたそうです。

さらに今回は、短時間でしたが、久慈浜漁協の方、それから、東海村のブドウ園の方から、今抱えている問題についてのお話もありました。

漁協の方の配布資料には、今回の被害のことを「全く先が見えない」と書いてあり、「つなぎ資金」など、対策の必要性が訴えられておりました。

ブドウ園の方は、「農業経営者」という雑誌の2011年7月号の「農水省による農地土壌除染技術」という資料を紹介されました。記事の中身は報道されているとおりの、4.9億円の予算で行う福島での除去技術開発についての説明です。しかし、お話では、「個人的に数十万円かけて、水、土、葉、樹液、果実の放射性物質の検査をすること」や「今年は注目されても、来年以降は厳しくなると思われること」が語られました。

少しの休憩時間の後は、テーブルに別れての質問タイムです。ここに数人の研究者が新たに加わりますが、その前にそれぞれの方の研究内容についての紹介がありました。今日は日曜ですから、研究者の方もお子さん連れてたりして、ほほえましい雰囲気でしたね。

私のところのテーブルでは、やはり食品による内部被曝の話が中心になりましたが。あるママさんが「茨城のものを食べ続けたらどのくらいになるのか教えて欲しい!」と力説していたのが、印象に残りました。ある意味そこから、「茨城に住み続ける」というような覚悟のようなものも感じました。

えっと、実は…。6月のサイエンスカフェに参加したことがきっかけで、こちらのサザコーヒーサイエンスカフェを運営する側の方と知り合えましたことから、今回、「協力」という形で名前を入れさせていただきました、サイエンスカフェ水戸でした(ちらしでは「水戸サイエンスカフェ」ってなってますが…)。結局、twitterで告知(情報拡散)したくらいで事前のお手伝いはたいしてできなかったのですが、テーブルごとのファシリテーション役としては少しは役に立てたのではないかと思うところです。

右のお菓子は、同じく協力にお名前あります、水戸市泉町のメゾンベニコさんのお菓子です。梅のマカロンでした!

サザコーヒーによるサイエンスカフェ。もともと地元でも(あるいは他でも)認知度が高く、様々な活動を展開しているサザコーヒーさんがそうやって科学技術について知る(対話する)ことの重要さに目覚め、こうして精力的にイベントを展開してゆくこと(実は7/1〜10にエクセルみなみのサザコーヒーにて隕石展示もされてました)に、たのもしさとともに、さすがの広がりの速さも感じました。(こちらも負けてはいられない…、かな?)