「育児は科学ではなく文学です」

ZガンダムDVDのレンタル目的でTSUTAYAをふらふらするわけで、もちろん書店コーナーで雑誌とかも立ち読みしたりしてます。

「二人とも行ってくれるとこういうことができるのねーー!!」

って、何年ぶりかの自由時間(の連続)を楽しんでますが、何か?(笑)

立ち読みの中でふと目についたのが、最新号のedu小学館の小学生ママ向け雑誌)。

メイン特集は「教育格差を気にする必要はありません」なんですが、要は、学校のお勉強とか偏差値とか学歴よりももっと大事なものはこっちなんじゃないんですか? ってのを示してあって、参考にと思ってぱらぱらめくっていたら…、巻末の方に、上記タイトルのエッセイがあったので、「なになに〜?」ってなって。で、前々からこういう雑誌にも興味あったので、買っちゃいました。

「育児は科学ではなく文学です」を書いてらっしゃるのは、浜文子さんという方。育児や教育に関するエッセイなどを書いて活動されてるそうです。「母を旅するあなたへの手紙」というタイトルのエッセイの29回目が今号でした。

科学を伝えたいとか言っちゃってる立場からすれば、科学を否定するなんて!って感じかもしれませんが、私としては、「そうだよな」と思うこと多々でした。

たった数年ですが育児してきてみて。子供が産まれたばかりの頃は、「育児って科学だ」と思ってました。このブログにもそんなこと書いたような記憶が…。医者の世話にはなるし、栄養だなんだっていうのも科学じゃないですか。科学技術コミュニケーションでも、そういうのを扱いたいなと考えた記憶があります。例えば、予防接種の是非とか。

でも、子供がある程度自分のことができるようになってきて、自分の考えを自分の言葉で語ったり、時にはいきなり行動に移したりするようになって(先日の例など)、子供の心の問題を考えるウエイトが高くなっていったような気がします
そういえば、これまでず〜っと長い間人間は子供を産み育ててきて、そういった長年の蓄積がある意味科学であるはずなのに、それがあるのになぜ、今になって育児の常識があっちに行ったりこっちに行ったりするのでしょう? 科学のはずなのに、新しい事実や証拠にふりまわされてる気がします。先日会った友人(子供1歳)に、「今では離乳食は6ヶ月からって言われてますよ〜」と言われてショックを受けました。当事者だったたった数年前は「5ヶ月から」とか言われてたのに。あー、もう、ニセ科学に騙されたような気分さえ…orz (って、素直に従ってませんでしたが)

もしかしたら、現在は少なく産んで大事に育てる、育児に関してはリスク回避第一の世の中ですから…。科学はリスク回避に一番重要な判断材料で、ついつい、分からないままのことを放っておけないのもしれません。状況も環境も変化しすぎなのでしょう。

浜さんは、育児に関して悩みを持ったら文学をひもといてみよう、ということを言いたいのではないかと思います。体のしくみを知り、命を守ることも大切です。が、子供の幸福っていうのは、科学的事実が解明されたことで実現することではないのでしょう。子育てって誰でもやってて、できそうでいながら悩むんだけど、先人の残した文章がたくさんある、そんな世界なんだなってことを、この文章を読んで知りました。

最近、その、最新の科学技術を知るとか伝えるんじゃなくって、こんな現代を生きるフツーの人がより良い生活をするにはとか、日々の暮らしを大事にするとか、そういうことを考えてるんですが。うまく言えないんですけど、その、両方のバランスを考えたり、かけはしになるとか(そんな大それたこと!みたいな)、そんなことができればいいんですけどね。育児なんてその、合理化できない最たる物の一つでしょう。暇ができたんですから、よーく考えてみたいです。