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映画「そなたへ」

カミスガフィルムコミッションの映画、3作目の「そなたへ」を、見てきました。


予告動画です。



以下、ネタバレ含む感想です。

ネタバレを見たくない方は要注意!!!





シリーズとしてブログに感想を書いてきましたが(1作目 id:camelopardalis:20121029、2作目 id:camelopardalis:20130507)。今回ばかりは、「書きにくい〜!」と思ったのが、見終えた後の感想でした。

それぞれが秘密を抱え、気持ちがバラバラな大林家。BGMもなく、まるで盗み見するように、家族の日常シーンが、これでもかと描かれます。「一時間で終わるはずの映画なのに、こんな感じで、本当に何も起こらずに終わってしまうのではないか?」と、そういう意味でハラハラしたくらい。

そこに、父、圭輔の母が亡くなったとの知らせが入ります。(第1作にて)圭輔を置いて出ていった母です。再婚先で亡くなったのですね。お葬式の現場でもいろいろあり、父は上菅谷駅で涙し、家族の関係に、ほんの少しだけ変化が芽生えます。

しかし、物語はほんのそこまでで終わってしまったように見えました。映画を見た多くの方は、あの出来事がきっかけで家族の絆を見直し、きっと良くなるだろうと思ったでしょう。けど、私にはそうは思えませんでした。母の秘密のデート(?)も、兄の反抗バイトも、姉への薄いいじめも、妹の不登校も、どれも問題が大きすぎて、あの涙程度でどうにかなるようには見えなかったのです。このまま父が単身赴任してしまったら、もうとりかえせない気がしました。きっと、最後の救いとなるようなシーンも家族バランスのゆらぎの一つであって、これまで続けてきた気持ちがバラバラな日常にかき消されて、もとどおりなかったことになってしまうのではないかという不安さえ持ちました。

これまでの2作にて。「走れ」では、母と会って現実を知ること、「シガノココロ」では、彼との未来をきっぱり捨てて新しい道を進むこと。正解とは言ってないけど、「主人公はこんなふうに、考えて行動した。それを見たあなたはどう思う?」と提示してくれたように見えましたが。今回のは、大きな行動が示されない日常を切り取ったうえで、「さぁ、どう思う?」と迫られたようです。

この家族への、数少ない外からのアクション。磯山純さんの歌、そして、ハチバス菊池さんの言葉など。それらも、今回はかなりマジメ直球な感じでしたね。そんなことがあっても、「あなたのおかげでこんなに良くなりましたー♪」って描かないところが、核心をついているのかもしれませんが。

とか、偉そうなことを書いてますけど、私が、浅いんですよ、映画についての見方が。映画の世界とは対局にいて、映画なんか、子供の頃は「東映マンガまつり」、親と一緒なら「寅さんシリーズ」、今だったら「仮面ライダー」くらいしか見てないような私が、映画について語れるわけがない。古き良き日本の有名映画も、ハリウッドの大ヒット作も、それすらよく知らない人間なのですから。

なので、これも、一般人の一感想として流していただければと思います。はい。

でも、こうして気にしてしまうのは、カミスガチームの全体の雰囲気であり、イベントごとに見かける、カメラをかついだ監督さんのお姿であり、できあがった作品のカットに切り取られる、なじみある風景の(監督さんらしい)描き方が気になるから、でしょう。関係ないですが、実は夏頃に、とある映像作品のエキストラをしたこともあって、映像の作り手に若干興味があったりするのですが。

ところで。もしかして、圭輔のように、こうやって、厳格ぶってきちんとしているようでいて、そのせいで周囲との関係がこじれているのに、どんな事件が起きても変われないのは、この地域のことなのかな、と深読みしたりしてしまいました。監督さんの目論みどおりなのか、いろいろ考えさせられます。


上映終了後に見た、県民文化センターのイルミネーション。撮影している人がたくさんおりました。