今週のお題「わたしの自由研究」
夏休み中にこのブログの中でアクセスが増えるのは、やっぱり、自由研究のヒントになりやすい系の記事です。特に、
これです。多分、何らかの理由で「化石」をテーマにしたり、化石を手にしたからそれでまとめたいと思って探してこられるのでしょう。ただ、この記事は震災直後に書いていて、どちらかといえば「いわきを応援したい!」「いわきは素晴らしい!」という意図なので、自由研究まとめ方としてはあんまり参考にならないかもしれません。
というわけで。
この機会にこれまでにアンモナイトセンターに行って掘って持ち帰ってきた化石を紹介しようかと思います。
子どもの自由研究ではありますが、自分も楽しんでやったという意味で、「わたしの自由研究」です。
訪れた時の過去記事はこちら。こっちも、書き方としては旅の内容って感じで、肝心の掘ってきた化石をどうしたかはあんまり書いてないですが、発掘現場の様子なんかはこちらで十分でしょう。
以下、写真は上記3回分がいろいろ混ざってます。カメラは当時のコンパクトデジカメです。
化石を取り出す
現場で掘ってみて、化石があるのを新聞紙にくるんでお持ち帰りできますが(こんな感じ)、それだけだと余分な部分もたくさんある大きな石になってしまうので。
余分な部分をできるだけ取り除きます。家にたがねやハンマーがあるわけではないので、金槌やいらない彫刻刀、ニッパーなどあれこれ使ってなんとかしました。
この作業がかなり大変です。
折角見えてた化石を作業の過程で壊しそうになったり。あるいは、割ってみたら中に他の化石があって慌てたり。もちろん、欲張ってあれこれたくさん持ち帰ったら持ち帰った分、この作業量が増えます。子どもたちよくがんばりました。
そこまでやってこんな感じです。
示準化石にもなる貝などたくさん出ますし、しかも割れててくず化石なんでしょうけど、自分たちで掘ってきたと思えばなかなか捨てられません。
ボンドでコーティング
標本にできるまでの大きさにしたら、そのままだと当然ながら風化してしまうので、薄めた木工用ボンドでコーティングします。そのように、アンモナイトセンターの方に教わってきました。確か5倍程度に薄めてます。筆で塗ったら一晩乾かします。
同定作業
掘ってる時からある程度はめぼしがついてますが、どの化石が何なのかを確認して、表を作ったり、写真を撮ったら名前がわかるようにするなどしてゆきます。
アンモナイト
初めて訪れた時に見つけた、アナゴドリセラスの化石。もちろん一部分ですが。葉のような模様がわかります。
同じ時に見つけた化石です。岩を割ってみて白かったら貝、黒い何かだったら骨とか、だそうなので、白いから貝系なのでしょうが現地では何かわかりませんでした。後で別の地学イベントにて専門の先生に、アンモナイトの中の構造、みたいなふうに教えてもらったのですが、どこだかいまだに理解できてません。でも、うちにとっては大事な化石です。
サメの歯
センターの方はネスミザメと言っていたような覚えがあるのですが、クレトラムナ? 長さは1cmくらいです。先端も根元も欠けてますが歯です。
先端部も根元もないけど、これもサメの歯でしょう。もうこれ以上は取り出せません。
ちなみにサメは歯はこうやって化石として出てきますが、骨は残らないんだそうです。残念。
貝化石
イノセラムス。
この時代の示準化石です。こんな感じで小さいものも含めると掃いて捨てるほど出てきます。
余談ですが、むかわ竜が発掘されたむかわ町の博物館には「イノセラたん」というキャラがいるそうなのですごく気になります。
www.town.mukawa.lg.jp
イノセラムスにもこんなにたくさんの種類があったとは!
トリゴニア(の一部)。
三角貝と呼ばれています。貝の模様が交わっているのが特徴的ですぐわかります。
巻貝、に見えます。白い部分がないのは割った時の反対側にくっついてしまって(そして行方不明?)、型取りした跡みたいになってしまってるのかもしれませんが。
他にも、よくからない貝とかいっぱい残してあるのですが、何かわからないのに載せてもしょうがないのでこのへんで切り上げます。
ケースに保存
最後にこうやって、100均で買ってきたケースにわかるように入れて保存です。学校にもこれで提出しました。
ちなみにうちにはこんなケースが10個くらいあります。もうどうしようって感じですが、たまーに、うちに来た方に話のついでに見せるとすごい驚いてくれます。
論文仕上げ?
以上、こんな感じで作業するので、いざ、文章なりポスターを書こうとするまでにけっこうな作業量と時間を費やします。研究なんですからそんなもんですけど。
小学生のまとめ方としては、基本ですが、
- 研究の動機(なぜやりたいと思ったか)
- 発掘場所の紹介と発掘している時の様子
- クリーニング作業のやり方
- 標本紹介
- 作業してみてわかったことや感想
で十分かと思います。
新発見が期待できるわけではないので、
「イノセラムスが多かった。やっぱり示準化石だから多いの当たり前」(という実感)
や、
「作業が難しかった。今度はこういうふうに工夫して、うまくなりたい」
「次は恐竜の骨を発掘したい」
という感じでしょうかね。
我が家、こんなにいっぱい(ありふれた)化石があっても、また行きたいです。「次こそはレアものゲット?」みたいな心理もあるでしょうね。