いわき市アンモナイトセンター

今年のGW。前半では横浜であったケロロ博へ行ってきました。思った以上に楽しめました。ただ心残りが一つ。ケロロの名刺、欲しかったなー。

そして後半は、化石発掘体験へ行ってまいりました。子供達が「化石掘りしたい」って前々から言ってたんで気にはしてたんですけど(ゲームの影響?)、そんな体験を突発イベントではなく定期的にできるところがあるんですね。

場所は、福島県いわき市。かの有名なフタバスズキリュウドラえもんの「ピー助」のモデルにもなった恐竜。2006年に論文発表されて「フタバサウルス」になったそうです)が発見されたところです。

発見の地の近くには、こんな施設がありました。

ここ海竜の里センターの館内には、ここいわきで出た化石が展示されていました。他の博物館はよそ(海外多い)で出たすごい恐竜の化石などを展示して迫力ありますが、ここはこじんまりしててもまさに「地元のもの(化石)です!」ってなってるところに、親しみを感じました。一方、外はこーんな感じで子供達が遊べるようになってました。遊具の間にいる恐竜達の表情がなんとも…(^_^;) でも、子連れでちょっと変わった雰囲気楽しみながら遊びたいな、っていう時に、無料ってのはポイント高いです。


一方、化石発掘体験ができるのは少し離れた別の施設、いわき市アンモナイトセンターです。


入館券を買って化石発掘体験の受付を済ませて入ってみると、まず目に入るのが巨大アンモナイト化石。国内最大のもこちらで出たとかで、本当にアンモナイトだらけです(恐竜はほとんどない)。発掘体験は時間が決まっているので、その前に館内をうろうろするわけですが…、


建物の中はこーんなふうなんです。えぇ、単純に言えば、化石の出る地層の上に建物を建てて覆っただけ、っていう感じです。でも、これれがすごい! 露出した地面(?)にはアンモナイトがご〜ろごろ。他にも化石がいっぱい見えてます。白亜紀の8900万年前の様子がそのまま封じ込まれて、色はないけどそのまんま見れるっていう感じですから。

そんなふうにして館内を巡ってアンモナイトについてばっちり(?)予習した後、時間になったらみんな研修室に集まってまずは先生の話を15分くらい聞きます。アンモナイトの解説の後、「こんな化石が出ます(アンモナイト、サメの歯、貝など)」「アンモナイトは年間60個くらい」「昨日出なかったから今日は出るかも」とかなんとか…。期待が高まります。


そして、建物の横に化石発掘場所があります。さっき館内で見た地層を横から見た、そんな感じです。ヘルメットと防塵メガネ、ハンマーにたがねを貸してもらって、注意事項を聞いた後、いよいよ発掘体験です。

 
こーんな感じ。地層の下側の灰色部分がアンモナイトを含む層で、その下の方にちらちら見える白い破片が、貝などです。ので、このあたりに何か出る可能性が高いそうです。

ちなみにこの回の参加者は5、60人といったところでしょうか。GWだから親子連れが多かったように見えます。参加できるのは小学生以上なので、幼稚園児は参加費(保険を含む)を払わない分、「危険な場所、作業ですので、危なくないようしっかり見ておいてください」と念を押されました。

そういうわけで、実際に掘り始めたわけですが…、非常に難しいのです。貝の破片はあちこちに見えるのですが(貝ももちろん8900万年前の立派な化石だけど)、ぼろぼろ崩れてゆくので化石っぽく全体をきれいに取り出すことができません。化“石”って言っても、博物館で触れるような固かったりつるつるしたりするもの(石)ではないのですね。

とかやってるうちに夫がアンモナイトの破片を発見! 先生にも確認してもらい、「ここに見えてるからこのへんを掘ってみたら?」のアドバイスどおり手を加えていきます。けど、注意深くやってるつもりでも思わぬところで割れたりして、掘ってるんだか破壊してるんだかわからないって感じで、やっと出したのがこんな感じです。


模様が見えてます。アンモナイトのアナゴードリセラスだそうです。あと、サメ(先生は「ネズミザメ」と言ってたので、多分クレトラムナ)の歯も出ました。今回のチームでアンモナイトが出たのは我が家を含め2個だけでしたので、非常にラッキーでした。

ちなみに、子供達は自分たちでも地層に向かっていったりしましたが、大人が掘り出した大きな破片を砕いたり何かないか探してみたり、他の子供達とおしゃべりしたり、と、そんな感じでそれなりに楽しんでたようです。「あった!」「あったー!!」って言って見せにくるのがみんな貝の破片なのはいいのですが、それ全部お持ち帰りなんでしょうか?(汗)

そんなふうにしてあーだこーだ悩みながら地層に向かってたのが約1時間。あっという間でした。終わった後は保存方法の話を少し聞いて、解散です。家族みーんな泥(ってこれも8900万年前?)だらけになりました。

ところで。今回、手にすることができたのが8900万年前のものでしたが、8900万光年くらいの距離の天体といったら何があるでしょう? おとめ座銀河団とか、そのメンバーであるM87が6000万光年だから、それよりちょっと遠いかな。こういった銀河はもう望遠鏡がないと見ることができないし、見えても手に取れないし、お持ち帰りできません(写真のお持ち帰りなんかはある)。けど、これは持ち帰れるのか〜、自分のものにできるのか〜、同じものは何一つないのか〜、っていうのに、やたら感動してしまいました(子供よりも自分が)。やっぱり本物体験はすごいな、と。

また行きたいですねー。是非とも。今回やってみたから次回はもうちょっと要領よくできるかなぁ? ちなみにこのGW、4日連続で来てた親子もいらっしゃったとか。

それで、現在、当然のごとく保存作業に苦労しております。なんだかわけわかんない破片も持ち帰ってきたので、小さな破片も含めると30個以上あります。しかし、早くやらないと本当に風化してって、さわる度にぼろぼろ崩れていってしまいます。楽しいことだけじゃなく、ある意味めんどくさい作業(工程)も含めて、科学なんですよね。

最後に。

側溝のふたのイラストがかわいいかったので。笑ってたかどうかわからないけど、この地でこんなふうに暮らしてた…、のでしょうか?