ワニくんの…

ワニくんのふしぎなよる

「うちゅうじんて　いるのかなあ」
天体望遠鏡を取りだして夜空を眺めるワニくんの前に、突如として現れた本物の“いかにもな”宇宙人。意味不明な言語でワニくんに話しかけ、勝手にワニくんの家にあがりこみ、ひとりごととも取れる言葉を何やらぶつぶつと発しながら、冷蔵庫の中も、家の物もひっちゃかめっちゃかにする始末…。あの、超のんびり屋＆マイペースのワニくんも、びっくり！　それでも、怒ったり嫌がったりするわけではなく、とうとうワニくんはその宇宙人の心配し始めます……。

水彩画が特徴のみやざきひろかずさんの代表作、ワニくんシリーズの一番新しい作品、のようです。

どの絵本を紹介しようか、非常に悩みました…。何しろうちには子供が２人もいるくせに、絵本はほんのちょびっとしかありません。毎回こうして新鮮な（？）絵本ネタを日記に書いてるのは、子供がいるおかげで図書館通いを欠かさないからです。そうして、子供（と私）のお気に入りの絵本を探しながら、手当たり次第に借りてくるこの頃。まだまだ勉強中の身です。

絵本百選のたすきがまわってきた今、本当にたまたま、子供の再度のリクエストで借りてきているのが、この「ワニくんのふしぎなよる」です。以前に借りたのは、id:camelopardalis:20051227。絵本百選では、これまでに、昔から読まれている名作や、海外作家のとびきり美しい絵本なんかがずらりと並んでいますが、絵本の知識の乏しい私には、そのようなものはとてもあげることができません。でも、私が今ここで書くならば、自分だけでなく、うちの子供もとっても気に入った絵本を紹介したいと思い、結局、これを選びました。

この本を知ったきっかけは、12/27の日記にもありますように、みやざきひろかずさんが、和歌山県川辺町の公開天文台「かわべ天文公園」のマスコットキャラクターの絵を描かれていただからです。サイトに絵もないので、手持ちのパンフレットを撮影してしまいました。上の写真がそうです。

以前、別の公開天文台で仕事をしていたので、その頃から幾度となく目にしてたのに、これが絵本作家さんのイラストだって意識したのは、ちょっとしたきっかけで、昨年末が初めてでした。淡い、ほんわかとした水彩画で描かれたその星の宇宙人は、顔が横長なのが印象的です。キャラクターだけでなく、背景に描かれた彼の星の美しさもポイントでしょう。

さてさて、そのワニくんの目の前に現れたのは、チビで金属光りしてそうな、目がでっかいいかにもな宇宙人。めちゃくちゃやってくれる宇宙人を目の前にしても、いやみ一つ言わないワニくんは、本当にエライです。親としては、この宇宙人が、目の前の理解不能な自分の子供たちに重なるのですが、きちんとワニくんを見習って、冷静に対処したいものです。

うちの上の子は、この本を返却している間も、何かにつけ、「オト・オカ・カゾク…」と言い、この、宇宙人が覚えた地球語（日本語）を、おもしろがっておりました。なんでなのでしょうね？　
「だって、『オト・オカ・カゾク…』って、おもしろいんだもん！」

この絵本のおもしろさ、いろいろありますが、注目すべきは、宇宙人の言葉が書かれているところでしょう。最初は、意味不明なマークの羅列にしか見えませんが…、だんだんとこれは、何か法則性がある、ということに気付いてゆきます。それと同時に、子供からも「これは何て言ってるの？」攻撃。う〜ん。そう、ネタばれになってしまうのですが（申し訳ありません）、絵本の奥付の上に、この宇宙人の言語解読表が載っております。最初に読み終わり、これを発見した時は、「おぉ！」と思いましたよ。単純な解読表ですが、これを片手に何度も何度も、宇宙人の言葉を見返してしまいます。というわけで、大人もこうして楽しめます。

ところで、このワニくん、まだまだ私の中ではなじんではおりません。私の好みは、もっとかわいい系の動物さん達とか。足もでかくて顔も長いワニくんは、まだまだ、キモカワイイ領域。最初は本当にこの本にしようか迷っていたのですけど、たすきが来てからワニくんのことをいつもいつも頭に浮かべているうちに…、なんとなく慣れてきている、そんな最中です。まだこの他に１０冊くらい本が出ていますが、ワニくんが一体どういう性格の子で、どんな暮らしをしているのか、他も読み進めてゆくうちに、きっと、「いい子じゃないの〜」と思えてくるのではないでしょうか。

タイムリーなことに、明日の２０日（月）から、NHK教育のテレビ絵本（午前７時２５分からの５分間と、再放送は同じ日の午後５時１５分から）で、このワニくんシリーズが放送されます。１日１冊で、全１０作品。読み手は、俳優の山口良一さんです。「ワニくんのふしぎなよる」は、１０本目（最終回）の３月３日（金）。さぁて、宇宙人の言葉、どういうふうに表現されるのでしょうか？　気になる方は、どうぞお見逃しなく。

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次なのですが、同じ子ように子を持つ親としての目線で絵本を紹介してらっしゃる、id:tomberさんにお渡ししたいと思います。お願いできますでしょうか？