水戸の鳥インフルエンザ

昨年12月から、ずっと水戸(とその周辺)の鳥インフルエンザの情報を追いかけてます。

私自身が野鳥が好きというのもありますが。その前の月の11月、今年度やっているときわサイエンスカフェで「飼育鳥と野鳥の違い」についての話を聞いて参加者でいろいろ話し合ったことも、今回の件に関心を持つ理由にもなってます。その時にはもちろん、鳥インフルエンザの話や、過去、放鳥飼育されたものが鳥インフルエンザにかかった場合については殺処分されていたことなども知りました。なので、千波湖で同じようなことが起きたら同じように処分になるだろうから、千波湖での親善でやってきた鳥のやりとりや飼育、そして、無節操な餌付けについては(観光とか癒しとかメリットもあるかもしれないけど)考え直した方が良いという話にもなりました。

というのを学んだばかりだというのに、まず、12/2に大塚池のオオハクチョウが感染して死亡したのが発見されました。
【茨城新聞】水戸で鳥インフル 大塚池のオオハクチョウ

大塚池も(行政も一般人も)エサやりの人がいて人と鳥が近く、鳥も集まりぎみでしょう。そして、市街地に近い千波湖とも近いです。人も鳥も十分に行き来しますから、これは危ないなぁと思ってすぐに、千波湖でもユリカモメ、そして、コブハクチョウへの感染(死亡)が確認されました。

その後の経過は報道等もなされているとおりです。1月に入って、県内では50羽になりました。千波湖の(親善によってきた飼い鳥で外来種の)コブハクチョウは約7割が死亡し、周辺の水辺(楮川浄水場や、ひたちなか市の名平洞など)にも、感染して死亡した野鳥が発見されました。

経過について、ツイッターでのいろんな方のつぶやきをまとめてあります。

togetter.com

とりあえず12月分です。思いがけずたくさん集めてしまいました。ニュース記事へのリンク、現場を訪れた方による写真、そして、今回の騒動についての感想などです。時系列で並んでいるので、どのように推移していったかもわかると思います。

ちょこちょこ自分の思ったことなども盛り込んでいるとおり、危機感を持ってどうしたら良いか考えて行動してる方(鳥に詳しい方から、利用者が考えてマラソントレーニングコースを変える例まで)がいる一方で、立ち入り自粛も無視して訪れる方(そんな方から写真があがるから現場の様子がわかるのですが)もいるなど、様々な反応がうかがえます。

そして、行政側の対応の推移についても。回収して陽性確認した鳥の報告だけでなく、立ち入り自粛を要請したり(自粛なので禁止ではない)、元旦マラソンを中止したり、羽切りを検討してみたり(1/7になって、やらないことを市長が報告)、ポケモンGOのポイントの削除申請を出してみたりと。日を追うごとに、鳥のリストが増えるとともに、いろいろな対策を出していることがわかります。

個人的に意外だったのは、過去の例(2011年宇部市の例や、今年度の京都競馬場など)に習わずに、親善で連れてきて飼育している外来種の鳥を、殺処分しなかったということです。処分も大変だし、コブハクチョウやコクチョウを愛してきた市民の反発が強くなるということを思ったのかどうなのか…。いずれにせよ、処分しないでこのような対応でいると、今のような経過をたどるということがわかります。だらだらと回収個体を上げています。

この鳥インフルエンザのシーズンが終わって、どのような結果がこの地に待っているかわかりませんが、このような対応をした結果がこれだ、というのをきちんとまとめておいて、是非、検証していただければと思います。


鳥インフルエンザの件に関して、一番大事なのは、養鶏関係者を守るということです。

そして、人に感染させないことです。今の人と鳥との距離で、外国で出ているような人への感染例が日本で出るとは思えませんが、それでも、ひとりひとりが注意するとともに、ウィルスを広めないことも大事になってきます。

その上で、今後、こういった鳥インフルエンザ蔓延を広げないために、鳥とどう付き合ってゆくべきなのか考える時だと思います。

これらそれぞれについて、詳しいことは詳しい方の記事があるでしょうが。


これらのことを守るために、野鳥(渡り鳥)や飼育鳥の生態、そして、ウィルスの挙動などをきちんと科学的に説明して、それを根拠にし、「今わかっていることはこうなのだから、こういう対策をすべきだ」ときちんと説明できるようにしなければならないでしょう。私も専門家ではないのでわかりませんから、ここでは説得力ある説明ができませんが。

ただ、割り切りたくても、科学では割り切れない市民感情もあるでしょうから、そのあたりは、よく話し合って合意形成へ持って行く問題なのかもしれません。実際、まとめたとおり、市民の反応も様々なのですから。


自分の5月の記事。

cam.hatenablog.com

7割が死んだというコブハクチョウもたくさん写ってます。この鳥たちももういないのでしょうね。


追記。

2017年に入ってからの分もまとめてます。随時更新です。

togetter.com