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横串フィールドでもサイエンスカフェを考える?

科学技術コミュニケーション

科学技術コミュニケーションの双方向イベントとしてすっかり日本でも定着したサイエンスカフェ。今年1月に開催された北大CoSTEP主催のシンポジウムの中で発表されたところによると、今や年間1200件もの「サイエンスカフェ」という名がつくイベントが日本で開催されているそうです(ちなみにこの数は、多分、サイエンスカフェ・ポータル等のまとめに掲載されてる数を数えたと思われます)。

そんな、双方向な科学技術コミュニケーションイベントの小規模かつ開催しやすいというサイエンスカフェを、水戸で始めようと動くようになってから、以前にも増してサイエンスカフェづくりについて考えるようになった私です。

しかし、3年前のサイエンスアゴラでのサイエンスカフェを考える会主催ワークショップで問題指摘したところにもあるように(例えばid:camelopardalis:20071128)、サイエンスカフェと一言で呼んでもスタイルは様々です。地域的なかたよりもあるでしょう。ワークショップを持った時に京大のMさんがかそれまで開催されたものをたっぱしから調べて分類した結果は目にして、どちらかといえば啓蒙型な日本型のサイエンスカフェということが明らかになりましたが、あれから3年、数も増え、現状はどうなったのでしょうか。

例えば、「“対話できる”サイエンスカフェだと思って行ってみたら、お茶つき講演会だった」なんて話は、今でもたまに目にします。従来からある講演会スタイルイベントはもちろん認めた上で、専門家と市民が対等に対話してこその双方向コミュニケーションできるサイエンスカフェだと思っている(習った)私たちにとっては、毎度のことながら笑っちゃうと同時に悲しくなるような現実です。

けれども、どうしてこういうことが起きてしまうのか、そもそもこういうケースはどのくらいあるのか、なんていうのはどうやら調査されずにいるようです。となると、知りたくなりますよね。ほんの数件なのか、それとももっと多いのかどうか…。

ところで。先月の24日に、つくばのFPGAカフェというところで、「メタ・サイエンスカフェ」とか「サイエンスカフェの中のヒト」と呼ばれる集まりが開かれました。日本のサイエンスカフェ情報を集め提供し続けるK_Tachibanaさんが要となり、つくば地域を中心に複数サイエンスカフェ開催者を呼んで交流したり、サイエンスカフェについて考えてみたいという趣旨でした。こちらは、ラヂオつくばの収録も兼ねられました(放送はまだ)。

サイエンスカフェなんてまだ自分では開いてないのに、同じ茨城県内であるのでのこのこ出て行きました私。会場ぎりぎりのおよそ20名入った、一風変わった内装なカフェ内に、サイエンスカフェ開催者が6(パネラー、私も含む)+2(後から入ったけどれっきとした開催者)の合計8人。サイエンスカフェやってる人ってこんなにいるんだー、という驚きをもって迎えられたと思います(お互いにも)。ちなみに、要となるはずだったK_Tachibanaさんは諸事情により欠席されてしまい、残念でした。

これだけ集まったのですから、サイエンスカフェを開く上での様々な悩みや理想などが聞ける、話し合えるというつもりもありました。一方で「サイエンスカフェって何?」というなじみのない方も会場にはいらっしゃいました。そこで、前半は「なんでサイエンスカフェやるの?」「どんないいことがあるの?」などの、入り口的なツッコミを多々受け続ける形となりました。もちろんその質問に対するものが、各カフェのスタイルや理想が違うとおり、答えも一律ではなかったので、他の方の話を聞けたのは良かったです。が、私自身としてはツッコミに対応するのでせいいっぱいだったような気もします(そして記憶もあやふや?)。

「つちのうえ」の生歌&演奏を挟み、後半は「サイエンスカフェあって良い」という上で、運営上のお話も聞けたのですが、やっぱり時間は足りないものですね。それだけ、「サイエンスカフェ」という言葉が幅広い意味を持つ(持ってしまった)と言っても良いかもしれませんが。

運営に関して、カフェ開催者内でも分かれた意見の代表的なものは、こんな感じでした。

  • 「ゲストに謝礼は払うのか?」 そこからつながって、サイエンスカフェの参加費をいくらにするかの話(それは、ファシリテートするコミュニケーターが食べてゆけるかという問題にもつながる)
  • 「お茶つき講演会をサイエンスカフェと呼んでしまっていいのかどうか?」 双方向じゃないので絶対ダメ! から、日本はそういう傾向にもあるし、これも科学の普及になっているのだからある意味仕方なしというものまで

素粒子カフェみけねこさんの「サイエンスカフェって魔法の言葉」という発言が印象に残った場でしたが。それぞれの意見を「なるほどそうかもー」と思ったものの、その場ではつきつめきれなかったので、何故“魔法”なのか、それが良いのか悪いのか、よく考えてみたいところです。

2時間でこの内容ですから、やや不完全燃焼ぎみなのはどなたも一緒だったでしょうか(特に私は早退ぎみで、後オフにも参加しなかったし)。後になってこの日のプログラムを見返してみれば、

サイエンスカフェの中の人だけどなにか?」

という強気なサブタイトルがついているものの、

「様々な意見/現実/夢…をこの短い時間でそれぞれ噴出していただき、むちゃくちゃフラストレーションの塊になってお帰りになっていただければ、ありがたいなあ…」

と書いてある、まんまとそのとおりになってしまいました。

そんな迎える側(ラヂオの方)のもくろみどおり、その後の対話(というかそれぞれの意見)はtwitterでのつぶやきへと飛び火しました。まとめられたとおり、あそこで言えなかった意見やそれに連なるつぶやきが出るわ出るわ!!! いろいろあって私としては追いきれなかった分もありましたが。応援メッセージもいくつもありましたけど、開催者にとってはけっこうグサグサくるものもありました(今後考えねばならないものも含めて)。誤解してる部分もあるかもしれませんが、私個人の印象として残ったのはこんなところです。

  • 研究者はあまり出てしゃべりたくない。研究するのが一番の仕事!
  • サイエンスカフェで対話(議論)ができない(市民にそういったやる気がない…、というのは議論下手という意味でも、その科学技術の中身や目的に拒否反応を示されると予測されるのでも)なら、講演会他で十分でないか

twitterで出てくるような意見ですから、市民側というより研究関係者側の意見でしょうけどね。どれでも、コミュニケーターとしては「でも…」と言いたくなる反面、気持ちもわからないではないです。

というわけで、私の頭ん中はあの日以来、サイエンスカフェについて混乱しっぱなしです。つぶやきにいくつか答えてゆくうちに、ある程度、自分が何を考えて「サイエンスカフェやろう」と思い立ったのかは見えてきましたが、それこそ“魔法”でいろんなものをカバーしすぎるサイエンスカフェって、どうあるべきなんだろう(広くも狭くも)と、まだ悩んでいます。もちろん、「上記のようなそういう(ごく少数としての)意見があると覚えておくくらいで、やりたいようにやればいい」というのもわかってますが。

いずれにせよ、こんな言葉のやりとり(あるいは言いっぱなし)があったのは知ってか知らずか、サイエンスカフェは今も全国各地で開かれ続けてゆきます。今年のサイエンスアゴラにおいてだって、10近くのサイエンスカフェがあるんですよね?

えっと、やっと本題までたどり着きました。

そんなアゴラにおいて、私の所属するサイエンスコミュニケーションネットワーク横串会は、横串フィールドとして恒例の「お休みどころ」のご提供となります。今回は、サイエンスカフェポスター展も引き受けております。実際は、東京国際科学フェスティバルにて貼り出されたポスターを使いますが、科学フェスの時には説明する人もあまりおらず、交流は十分にできなかったということなので、是非こちらでということに。加えて、サイエンスカフェ横串連合という、タイプ(って何だ?という話は置いといて)の違うサイエンスカフェ5本を続けてやってしまおう、という企画とも共催になっています。もちろん、こちらのカフェのみなさんのポスターは横串フィールドにあります。

なので、勝手な個人的企画なんですが、横串フィールドに来ていただいたみなさんに、サイエンスカフェに関する想いを聞かせていただこうかな、と考えちゃってます。当日やってなかったら、何らかの個人的理由で準備できなかったと思って下さい(やる前から弱腰)。

開催者でも専門家でもフツーの人でも答えられる質問その1。


サイエンスカフェは誰にどんな良いことがある(ない)?」

つまり、誰に何のメリットが?って話ですよね。良いことないとやる意味ないですものね。何が求められているのか、目的と思われているのか(理想と違っても)ということが、知りたくなったのです。スペースあるかどうかわかりませんが(笑)、紙に書いていただいたものを張り出そうかと。

さらに質問その2。


「ずばり、サイエンスカフェの参加費、いくらがいい?」

今のところ、その人の思う金額のところにシールでも貼ってもらおうかな、と考えております。結果、もし低価格が選ばれるならば、すなわち今ある多くのカフェのように公的または私的なところからのイベントへの資金援助がないと成り立たないということになるでしょう。そのような形式で果たしてこれからも続けてゆけるのでしょうか? 一方、逆に、高くてもいいという結果も集まったら、これは科学技術コミュニケーターのビジネスチャンスとして、打って出てももいい、ということになりませんか?

と、あれこれ書いてしまいましたが、「横串フィールドに来たよ」というのと、20(土)、21(日)の終日開催イベントとして、再度訪れたくなるような変化する仕掛けを作りたい、というもくろみもあります。普通の紙アンケートだといろいろ設問も増やせますが、後でまとめたものを見ていただく機会が限られますからね(いつになるかもわからないということも…)。

思いのほか前置きが長くなりましたが、こんなことを考えています。これも、FPGAカフェでのフラストレーションが、次の行動につながったと思っていただければ(まだ凹んでる)。

アゴラにご参加予定のみなさま、よろしければ是非ちょろっと横串フィールド(東京国際交流館1階)に寄って思うところを、足跡を残していっていただけませんか。よろしくお願いいたします。