読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

高萩サイエンスカフェ「宇宙への夢」

天文 科学技術コミュニケーション

前の記事で告知させていただきましたとおり、サイエンスカフェ、やってまいりました。ので、その報告日記です。


イベント初日の10日には参加できず、11日午前、初めて現地入りいたしました。見事に桜が満開でした! レジャーシートやお弁当を手にした方。演奏するのか、お琴らしきものを持った着物の女性。屋台も出てましたし、敷地内はまさに地元のための桜まつりという感じでした。

写真には2つのパラボラアンテナが写っておりますが、この敷地内には、茨城大学宇宙科学教育研究センター/国立天文台水沢VLBI観測所茨城局として2台のアンテナがあります。建っている住所から、手前が高萩局、奥が日立局と呼ばれています。どちらも32mのアンテナ、近くで見るとけっこうな迫力です。


こちらは高萩局のアンテナです。右の写真のとおり、アンテナの裏に鳥の巣まであるのを発見してしまいました! アンテナは観測でいろんな方向に向くのですけど、鳥は、帰ったたら自分の巣がどこに行ったかわからなくなった!? なんてことはないんですかね。ちなみに、アンテナの下の建物では、午後から、こちらで行っている研究などのパネル展示説明がありました。

一方、その向かいの小さな建物では、4D2U(4次元デジタル宇宙)の上映が既に始まっておりました。

入り口にて、映像が立体に見えるメガネを借りて見ます。中の上映はこんな感じで2画面になっておりました。カメラで撮影する写真では立体視になってないので二重の映像の上にさらに手ぶれがかかってぼけてますが…。こちらでは、午後にもお話をされる自然科学研究機構の武田さんが、映像をコントロールしながら解説をされてました。4D2U、初めて見ましたけど、すごいですね。宇宙の中を自由自在、という感じです。個人的希望を言わせていただければ、星座の星がたくさん出ているところではおなじみな明るい星の名前がいくつもありましたが、そのあたりをもうちょっと解説していただけると、普段平面みたいに夜空に見えてる星が3次元的にはこんなふうに分布しているということがわかってもらえたかな…、と思うのですが。


20分程度の上映を見終えて出てみれば、次の回を待つ人でこーんな行列が! お天気も良くてポカポカ暖かく、どんどん人が集まってきています。

さて。午後にサイエンスカフェなどが行われるのは、メインの建物の宇宙電波館です。

お昼ご飯を食べながらゲストの方と簡単に打ち合わせさせていただいた後、いよいよ開始です。


定員が100名規模のホールだったので、悩んだ末、講義形式のような座席配置にしてしまいました。それから、メモしたりお茶を置いたるするためのテーブルも使ったので、セッティングとしてはこんな感じです。

ちなみに、右奥の方に珍しく自分が写っておりますけど、ゲスト席には並びませんでしたが時に会場からの質問にも答えてくださった、茨城大学の吉田龍生さんに撮っていただきました。いろいろお手伝いをしていただきまして、とても助かりました。

内容としては、前半30分ほど武田さんに(立体ではありませんが)Mitakaにて宇宙の3次元的な映像を、地球から宇宙の果てまで見せていただきました。後半はフリーの質問時間です。彗星や小惑星帯の起源、アンドロメダ銀河と銀河系との合体、ベテルギウス超新星爆発の可能性、ダークマターダークエネルギー、それから、この敷地内に可視の望遠鏡を建設する可能性(石垣島の例などを紹介)などなど…。思い返せば本当に多岐にわたった質問が出ました。4人の方の専門が違っていたおかげで、それらの多様な疑問にも柔軟に対応できたでしょう。一方で、誰が答えるべきかマイクをまわし(押しつけ?)合う様子もちょこっとあって、研究者であっても全てのことを知っているわけではないし、自信がない時もあるという側面を見ていただけたなか、と思います。

しかし、予想外に苦労いたしました。本当に、実際にふたをあけてみないとわからないとはこのことです。私としては、反省点が山盛りでもありました。

まず、前日の様子から聞いてはいたのですが、建物の外の敷地でバンドライブが行われておりました。ドアが建物入り口にしかなく、建物内は物販や案内、もちろんトイレもありますから、人が出入りする度に外の大きな音がホール内に流れこんできます。前の方はそうでもないのですが、後ろの方で聞いてらっしゃった方は、お話が聞き取りにくいところもあったでしょう。これについては、お祭り全体を確認し、必要なら打ち合わせをすべきでした。

それから、最後の方に行くに従って、質問がなかなか出ずに苦労いたしました。大規模サイエンスカフェということで質問用紙も用意したのですが、なかなか出てきません。出てきたのはこちら2枚。もちろん、紹介させていただきました。

双方向になるように、でもなるべく人数制限したくない、ということで100名規模となりましたが(実際は出入りがあって、延べ人数で100人が入ったかどうかというところ、ずっと座ってらっしゃったのは50名もいなかったと)。前の方に座っている熱心な方、宇宙についてちょっと知ってらっしゃる方からは手が挙るのですけれども、他の、たまたま入ってみて聞いてらっしゃる方には「何を聞いていいかわからない」し、他の方とゲストとのやりとりを聞いていて、「やっぱり難しいんだ」と思われてしまったようです。

対話をしやすい工夫をさらに考えるとともに、漠然と宇宙全体ではなくて、次回やるならばもっとテーマを絞った方がいいかもしれません。

でも、そんな中でも、「カーナビにこの施設が登録されてないんですけど」みたいなのは、良かったですね。ナビだけでなく、道路に道順を示す看板を設置するなど、訪れる人に親切な施設にしてゆく努力はまだまだ必要です。

さらに、これは予想してよく準備しておくべきでしたが。宇宙論の質問に対して、うまく橋渡しができなかったのに悔いが残りました。

そんな感じで、予定時間の最後には私から話題を振らせていただいて、地元高萩(や日立)の暗い夜空で星を見たり何かイベントしたりする可能性をみなさんに紹介しつつ、終えさせていただきました。


施設公開時間はサイエンスカフェが終わった後もしばらくあったので、改めてアンテナの方へ行ってみました。建物の上、アンテナの真下まで上って見ることができるようになっておりまして、そこでも解説が行われていました。さっき苦労してきただけに、カフェでなくとも、こうやって見学しながら一対一(またはグループ)で説明してもらうと、いろいろ質問もしやすいよなー、と(ちょっとうらやましく)思ったのですが。

そこから見下ろせば、いつものとおり、

パラボラアンテナ模型に子供達が群がっておりました。

終了の時間が来て片付けが始まった頃、宇宙電波館をのぞいて「普段はどこまで見れるんですか?」と聞いてきた方がいらっしゃいました。お子さん連れでした。「今日は来るのが遅くなってしまった」そうですが、「KDDの施設だった頃は門ががっちりと閉じられて敷地内に一歩も入れないような状態だったけど、こんな宇宙を感じられる施設になったのだからまた来たい」とおっしゃっておりました。四隅にテープがついた状態の剥がしたポスターで良いというので差し上げましたらとても喜ばれておりまして、その様子がとても印象に残りました。