グリークス

天文台に勤めてた頃、星座解説のネタというだけでなく興味もあったので、何冊かのギリシャ神話の本を読んでました。いや、さかのぼること高校生の頃、地学部(天文部)の関係で神話の本を読んだり、友人と神々(というよりキャラ扱い)について話して盛り上がってたのが原点かもしれません。

というわけで、こちらの舞台「グリークス」。2000年に上演され、その年の演劇のいろんな賞をもらったすごい作品です。その模様がNHKのBSで放送されたのを録画したものを、「あとで暇ができたら見よう」と思ってそのままビデオ棚にしまったまんま、だったんですねー。それをやっと今、出してきて見ました。全9時間です。その前に役者さん(渡辺美佐子さん、麻実れいさん)やスタッフさんのインタビューもあったから、もっと長時間でした。

検索してみればこのとおり、最近、DVD化されたそうで。でも、レンタルで簡単に見れるようなモノではなさそうです(数が少ない?)。

なんかもう既に過去の作品ではありますが、日本の第一線の超一流のスタッフと役者さんで作った、贅沢で豪華なお芝居だなぁというのが、真っ先の感想でした。舞台で主に活躍するベテランさんもいらっしゃれば、テレビでよく見る若手さんもいるし。宝塚出身の美女の方ももちろんだし、はい、ヒーロー出身の方もいらっしゃいましたしね。アガメムノンの家臣も、コロスの女性達も、テレビでは見たことなくても、いろんな舞台をたくさんやってこられた方ばかりなんだろうなぁと感じました。そんなたくさんいる人の中で印象に残った人…、みんなすごかったんだけど、あえて一人だけ挙げるならば、寺島しのぶさん。アガメムノンの娘エレクトラ役でしたが、王の娘のはずなのにボロボロで、恨みにとりつかれて、弟を愛し、狂ってましたが、その様子がすごかった。

トロイア戦争からその後に残った人の話は、文庫の「ギリシア神話 下 (新潮文庫 く 6-2)」なんかでも、阿刀田さんの解説書でも、多分その他でも読んだはずなのですが、なぜかちゃんと覚えられなかった…、んです。名前が難しいから? 神でなくとも、誰が誰と血縁関係婚姻関係だかもうごっちゃだし。けど、今回のこの役者さん演じるドラマですっかり、何て名前の人がどうしたのか、頭に入ったようです。このお話も神話で叙事詩で後の創作がいろいろ入ってることはわかってるんですけど。

「人間て今も昔も変わってないな」っていうこと、演じた方と似たような感想は持ちました。が、とにかく、感動して泣くとかそういうんじゃなくって、「この人達どうなっちゃうの?」って、続きが気になって気になって。そのくらい、ドラマのある物語(ある意味ドロドロな)です。大昔の人も、そういうところを楽しんだんでしょう、きっと。

この作品を、当時、チケット何万も払って9時間ぶっ続けで見た人とか、すごいです。私も見たかったな。

あ、ちなみに、私の失われた時間に公開されたトロイア戦争の映画(こっちはもちろん洋画)がありましたが、あれも見たかったってことで、そのうち見ます。