炎立つ

炎立つ 総集編 第一部 北の埋み火 [VHS]

炎立つ 総集編 第一部 北の埋み火 [VHS]

炎立つ 総集編 第二部 黄金楽土 [VHS]

炎立つ 総集編 第二部 黄金楽土 [VHS]

というわけで、奥州藤原氏について知るべく、10年以上前の大河ドラマの総集編をレンタルしてきて見ました。大河ドラマって気になる年は見てるんだけど、これは何故か見てませんでした。

最初はもう、なじみのない人物の名前を覚えるのでせいいっぱい。「日本いにしえの旅」と同じで、総集編だけに展開も早く、一言も聞きもらすことができません! 源氏の人々も、頼朝・義経の頃の人なら有名だからわかってても、その100年前だと、誰が何だっけ?って感じです。

ですが、覚えてゆくうちに、藤原一族、安倍一族、清原一族、それぞれ、奥州という土地に平和を創りたいとするうちに、戦いの渦に巻き込まれてゆく様がわかってきました。話を複雑にしてる理由の一つはやはり、奥州藤原氏初代清衡の父、藤原経清渡辺謙)が敗れ、妻と子の清衡(村上弘明)は清原に戦利品として取られ、妻は清原家の子、家衡(豊川悦司)をもうける、というところでしょう。前九年の役も戦い続きで見ててつらかったけど、この、兄弟の争いになる後三年の役も苦しかったな…。

その一方で、奥州の人々の衣裳に目が行きました。平安時代というより、奈良時代風にも見える、いかにも雪国らしい暖かそうな着物。それから、源氏のきらびやかな鎧兜とは対照的な、奥州の兵の真っ黒な兜。文字による解説ではわからないそういったものを見れるのも、ドラマの楽しみです。他にも、雪の中での合戦シーン、そして、忘れてはいけない冒頭の金山のシーン。いずれもほんの少しづつではありますが、奥州という土地の特徴を印象づけるものでした。

その流れを(1巻のたった2時間の総集編のサイズでしたが)見たおかげで、藤原氏や奥州の民の、「奥州に朝廷(の争い)とは無縁の平和な地を」という願いがひしひしと伝わり、人々の厚い信仰心や、文化を花開かせようとする気持ちが以前よりもわかった気がしました。だから、中尊寺であり、毛越寺であり、無量光院があるという…。

2巻は、時が流れて平氏、源氏、朝廷の争いに巻き込まれてゆく、三代秀衡(渡瀬恒彦)、四代泰衡(渡辺謙)を描いています。1巻であれほど血を流してやっと築いた平和な国が、いろいろな運命がもつれあって崩れてゆく様は、義経や頼朝といったなじみある人物が出てきても、やはり哀しかったですね。

いずれにせよ、いろんなきっかけあって、なんか最近は平安時代末期づいてるような気がします。そういえば、新平家物語の続きもまだ読んでなかったのでしたが、そのうちに…。