ジュニア・サイエンス・カフェ「携帯電話って、無害? 有害?」

科学技術コミュニケーター目指して勉強中の私ですが、ようやっと、初めて、サイエンスカフェに参加してきました! 今日、柏原東高校で行なわれた、第1回柏原東ジュニア・サイエンス・カフェ 「携帯電話って、無害? 有害?」です。

こちらは、私が受講している北大CoSTEPと同じように、サイエンスコミュニケーションについての講義が開講されている、大阪大学のコミュニケーションデザインセンターも主催者に入っているサイエンスカフェです。

サイエンスカフェについては、こちらの読者の方には御存知の方も多いかもしれませんが…。これまでの大学の先生の一般向け講演会などは、一方的な話の時間がほとんどで質疑応答も少なく、堅苦しい感じが多いものばかりでした。サイエンスカフェはそうでななくて、お茶やコーヒー片手に専門家の方と科学の話を気楽にしましょう、折角だからいっぱい質問とか話もしましょう、それによってきっと親しみも理解も深まるし、聞きに来てくれたみなさんが何を考えてらっしゃるのかもわかるし、と、まぁ、言ってしまえばそんな感じのものです。

「一人でJRに乗るなんて何年ぶり〜?」なんて思いながら駅に着けばもう開始時間ぎりぎりです。高校へ着いた時にちょうど講師の先生の紹介が始まってて、焦りましたが何とか間に合ったようです。会場は高校の化学実験室。司会は高校生の男の子がしていました。テーブルの上にはお菓子がっ( ̄▽ ̄)v

参加者は20名ほどで、半分が高校生のみなさん、あとの半分が大人で、阪大の先生、高校の先生、PTAの方などだったようです。

講師は、市民科学研究室上田昌文先生です。携帯電話についての様々な可能性と問題点をざ〜っと説明された後で、主にやはり、電磁波の人体への影響がどの程度わかっているか、市民科学研究室としてどのような調査を行なってきたか、などのお話がありました。けれども、一方的なお話は30分くらいで終了。これだけでもすごい情報量ではありましたが、きっかけにすぎませんでした。後はもう、先生を中央に囲んでひたすら質問タイム。これが1時間以上。みなさん自由に立ってお茶を入れたりしつつ、話しがあっちこっちに飛びつつ、広がってゆきます。


今回はジュニアサイエンスカフェで高校生がターゲットでしたから、そちらからけっこう活発に質問が出ていました。もともとこの学校の理科クラブの生徒さんが中心で、事前に質問も考えてあったようです。健康への影響とからめて、「基地局が自分のマンションにできたらどうする?」なんていう先生からの質問にも自分なりの意見をたくさん話してらっしゃいました。

そういうわけで私もなるべく黙っていたのですが、最後に少し質問をさせていただきました。その話の流れもあって、最後の阪大の先生のまとめの言葉、疫学研究、ひいては市民レベルの調査研究(その中には高校理科クラブの研究も含む)の重要性が印象に残りました。まさに、今日紹介していただいた電磁波についての様々な調査は、上田先生がなされてきたものなのですから。

便利さ優先で、様々な危険なことは後回しで技術だけが発達し、気付ば身の回りに知らない間によくわからないものがあふれているのでは、やっぱりいけないのです。その技術のリスク(人体への危険度など)が実際は、もしかしたらそれほど大きくないかもしれません。けれども、それを、科学技術や経済や便利さ優先で進めてしまっていいのではなくて、本当に私達にとって必要なのか、安全な使い方が他に考えられるのではないか、立ち止まってよ〜く調べたり考えたり提言していったりする必要があるということを、改めて感じました。

終了後に、CSCDの先生方と上田先生に、CoSTEP選科生ということでちょっとだけごあいさつをして会場を後にしました。帰りに、駅で、カフェ会場にいらっしゃった方と一緒になったので、思い切って話しかけまして、車内で少し話をすることができたのも良かったかもしれません。元天文台研究員(解説)ということを話したら、天文の質問をされまして…。なんか、昔に戻ったようで嬉しかったし、やる気ももらってしまいました。

ところで、余談ですが、私は学生時代は電波天文学をやってました。電波の問題では、宇宙からの微弱な電波を観測するために天文学者はがんばっているのに、電波の利用が広まるにつれ、地上での混信がひどくなって観測にさしつかえるという問題もあるので、そのあたりも気になる&訴えたいところです。

(追記)
主催であり会場となった柏原東高校のページに参加者の感想などが載っております。それと、阪大CSCDの平川先生からコメントいただきました。トラックバックさせていただきます。