シンデレラに消防車に…

かくれんぼ かくれんぼ (はじめてよむ絵本)
五味太郎さんの絵本。絵の雰囲気からして、私が子供の頃に読んでたのに似てるから、少しは昔のだろうなぁ〜と思ったら、1987年初版のものでした。ねずみが隠れたと思ったのは、実はきつねのしっぽ。きつねが隠れてたと思ってたのは、実はかばのおしり…。みたいなふうに、自分より大きい動物(最後はオニ)に、実は隠れていて、その人もかくれんぼしていた、というお話。こういう絵の方が好きだなぁ〜。

こちょこちょこちょ (ほっぺっぺえほん)
こちらも上と同様、小さい子向けです。さっちゃんが、いろんな動物とかをこちょこちょするだけのお話です。動物さんをこちょこちょして、笑っちゃうのがかわいいのは当然なのですが、バスやビルをこちょこちょするなんて! ビルがふにゃふにゃになって笑うところなんて、すごく変です! となりのビルは恐れをなしているし…。長野ヒデ子さんは、前にかえるの家族の絵本を見てから、ちょっと気になっている作家さんです。

したきりすずめ (日本傑作絵本シリーズ)
昔話シリーズ、今回はこちらです。よく見れば、前回の「かちかちやま (日本傑作絵本シリーズ)」も「ももたろう (日本傑作絵本シリーズ)」も赤羽末吉さんの絵なんです。もうお亡くなりになってるんですね。アニメ風の絵の昔話もいいですが、こういう日本画風というかなんというか、そういう絵の昔話は、すんなり昔の世界にいざなってくれるような気がします。その一方で、欲深いばあさ(=おばあさん)の、宝物を見てうかれている(いっちゃってる)顔とか、かなりおもしろ〜いです。

子供たちにとっては、「じいさ」「ばあさ」をはじめ「はたをおる」「つづら」「ちゃがま」など、なじみない言葉がばんばん出てきて、わからないからいちいちの質問攻めです。一方で、ストーリーを追うのが大好きな上の子にとっては、欲深いばあさがどうも気持ち悪かったようです。最後にこらしめられて、改心した、良かった、という結論はいいのですが、途中の、ばあさの意地悪なところの描写は、確かに、読んでてあんまり気分のいいものではありません。

そして下の子、つづらが出たところで、「これは、ボウケンジャーのプレシャス」とか何とか。なるほど、テレビに出てくるプレシャス(=危険な宝物)を回収する箱にちょっとだけ似てますわ。(^^;

シンデレラ (世界みんわ絵本)
ボウケンジャーTask.26「ガラスの靴」は、シンデレラのお話が題材になってましたので、シンデレラの絵本を借りてみました。といっても、この絵本はあとがきにありますように、いわゆる誰もが知ってるシンデレラのお話とはちょっと違って、そのもとになった民話(の一つ?)、フランスの農村に昔から伝わるお話を絵本にしたもの、だそうです。

魔法使いではなく妖精がシンデレラに贈り物をして、シンデレラがドレスを着て出かけるのは、お城の舞踏会ではなく、教会のミサです。帰るのもミサが終わってのお昼だし、履いていたのはガラスの靴ではなく、金の靴。へぇ〜、そうだったんだ〜、の連発です。

子供達にとっては、絵は油絵(?)のぼんやりしたタッチで登場人物の表情はあまりわからず、(下の子にとっては)文字も多いしで、なんだか飽きぎみ…。女の子の幸せストーリーは、男の子にとってはあんまり興味ないお話なのかもしれません。

ボウケンジャーでは、さくら姐さんが、「魔法がとけたのになぜガラスの靴だけ残ったのか、ずっと不思議でした」と指摘してましたが、このお話ならば、妖精の贈り物は魔法で出たり消えたりするものではなく、シンデレラが確かにもらって手元に置いていたもの。昔話っていうのは、その時と場合によって、好きに作り変えられ、そして、今に至るんだなぁと、改めて思ったのでした。子供がきっかけで有名な昔話を読み返すと、いろんな発見があるものです。

おんちのイゴール (世界の絵本コレクション)
これも気になる絵本作家、きたむらさとしさんの新作です。表情豊かな鳥や動物達に、数々の楽器。元吹奏楽部、管弦楽部の私の好みが満載です〜。ネコのジャズバンド、イヌのロックバンド、ひつじのオーケストラ、たいこを叩くワニ達に、ペンギンの合唱隊。たまりません!

タイトルのとおり、歌の大好きなイゴールは、どんなにがんばっても歌が下手。とうとう「歌うのはもうやめよう」とあきらめるんですが、最後に会ったある鳥に、「個性的なんだよ」と励まされる、というストーリーです。子供達もハッピーエンドにすっかり安心した感じでした。

ところで、イゴールはじめ、いろんな鳥達の歌声が絵で表現されてるのが、この本ももう一つのおもしろいところでしょう。整った図形と色で表現される美しい歌声に対して、イゴールの歌声はなんとカラフルで複雑なこと。でも、絵本の絵全体がカラフルなだけに、最初からずっと、イゴールの歌声が「おんち」に見えないのです。むしろ、その方がとってもきれいでおもしろい! その絵からも、何が良くて何がダメなのか、その優劣の付け方は見方によって違うんだ、ということを感じさせてくれます。

ちびかばくんしょうぼうしになる (PHPにこにこえほん)
消防車の絵本ということで(これもシルバーつながり…)、借りてきました。うちの子供たちには、このあたりがとってもぴったりだったようで、何度もしっかり聞いてくれましたよ。新入り消防士としてがんばるちびかばくんも偉いし、それを支える所長さんはじめ、カバのおじさん達もなんだかみんなプロでいい人そうで。

正岡慧子さんのこの「おしごと」シリーズ、そういえば以前に「くませんせいはおいしゃさん (PHPにこにこえほん)」を借りてきたことがありました。絵が違ったので、全然気付きませんでした。