補足(2) エコに興味あるママ向けコミュニティ

主婦やママのみなさんは本当に科学に縁遠い、けれども、生活や社会に密着する科学の知識を本当は知らなければならない人、というのは、講義でも何度か指摘されたことのあるとおりです。けれども、では、どうやってそういったみなさんに、科学に接してもららえるようにするのでしょうか? 新聞に書いても科学面なんて多分読まないし、科学館のイベントへ行くとも思えないし(子供と一緒なら…?)。主たる興味対象といえば、料理、節約、収納、ワイドショー、そんな感じ? 最近では、ハンカチ王子斉藤佑樹くんでしょうか?(野球の魅力ってやっぱりすごいね〜)

話がそれましたが、そんなわけで、そんな女性のみなさん全てを漠然としたターゲットにして科学技術コミュニケーション(の入り口)をしよう、というのは、非常に難しいような気がしてなりません。

そんな困難はありますが、ちょっとおもしろい雑誌を知っているので、ここで紹介したいと思います。というか、もう何度かこのブログでも出てますが、日経BP社から出ているecomom[エコマム]という雑誌です。なんと、登録すれば“無料で”配達されるのです。実は、日経エコロジーの別冊、という側面も持っています。「家族と自然にやさしい暮らし」をテーマにしたecomomは、普通の主婦雑誌と似てるようで違ってます。取り上げる題材は、例えば、料理だったり家事だっりして同じようなのですが、「旬のものをおいしく食べましょう」(節約のためにわけのわからない激安食品を求めましょうとは言わない)とか、「楽しく暮らすためには、物(家電から雑貨まで)を上手に使いましょう、いい製品を見極められるようにしましょう」みたいな感じなのです。もちろん、「エコ」がタイトルにあるだけに、「自然とふれあおう」「環境にやさしいものを」といった意識もふんだんに感じられます。

旬の野菜と食を考えれば、植物としての野菜や、農業問題へも関心が移るでしょう。良い物を見極めるためには、それに使われている技術や特徴もよく知らなければならないこともあるでしょう。

この読者ならば、環境や科学(科学と気付いていないだけで、実はそれは科学の成果だったりする)を自然と理解したい人なのではと思うのです。そして、さらにもう一歩ふみこんだ科学技術コミュニケーションができるかもしれません。

そう考えたのも、実は、この雑誌の公式ブログの募集があったからなんです。読者向けに、何か科学(応募時点では天文)の話をブログで書いてみたい、と思ったのでした。けれども、見事に落選いたしました〜(天文はさすがに、エコとママから遠かったのでしょう)。そして、雑誌のコンセプトに合ったいろいろなもの6本が、公式ブログとしてスタートしました。

その後、選ばれた公式ブログはこの春からエコマムコミュニティーへと変わりました。要は、「私も何か書きたい」と思ってる人が他にもたくさんいらっしゃったようで、ブログではなく、オープンなSNSのコミュニティーをたくさん作れる場へと、引っ越したのでした。今のところ、編集部のコミュニティーに参加している人が600名近くいるので、雑誌読者のうちこのくらいの人が、コミュニティーに自主的に登録したということになります。

ならば私も科学ネタで新しいコミュニティーを! と、最初の頃は考えました。しかし、考えるうちに、自分のブログとの区別をどうつけるかがわからなくなってしまったのです。どうせ、あんまりつっこんだ話は書けないし、ブログに書くか、コミュニティーに書くかできっと悩むでしょうし。

折角の場を使えないでいる、というもどかしさもちょっとあるのですが、今のところは、最初の公式の6本のコミュニティーにコメントをあれこれ書いたりして、みなさんとコミュニケーションを楽しみつつ、私が持つ科学ネタにもふれたいと思っている、といった感じです。実は、このブログにコメントくださったことのある、ときママさんまこのすけさんなくつさんポンポコさんは、こちらの公式コミュニティーの方なんですよ。本当にありがとう! ポンポコさんやなくつさんのところには、こちらでも思ったりしたことを書いてトラックバックもいたしました(id:camelopardalis:20060217とid:camelopardalis:20060113#p3)。

まぁ、自分が中心で記事を書くだけではなく、他の人にコメントを書くことも大事なコミュニケーションでしょう。まずは、何事も、できることから、楽しく、こつこつと、といったところです。