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吸水性ポリマーの実験

サイエンス

先日の考察(つーか、大失態とその処理 id:camelopardalis:20060430)をもとに、実験を行ないましたので、報告書です。論文ぽく仕上げようかとか思ったのですが、イントロの勉強が不十分なので、やめました。あとは、実験そのものも適当だから…。あいかわらず、つめが甘いというか、何というか…。

天気は晴れ。実験場所は、散らかっても(ある程度は)平気なベランダ。立会人は下の子でした。

それと、4月30日の日記ではおむつ中に含まれる水を吸ってくれるものを「高分子」と連呼してますが、今回は「吸水性ポリマー(または、それを略してポリマー)」としました。高分子だけだと、高分子にもいろいろあって、その中の何なのかきちんと示してないと思ったものですから。でも、エントリーしてしまってだいぶ経つので、前回のはそのまんまです。

なんだか(無駄に)長〜くなったので、細かい結果は、続きを読む、です。

最後に、実験結果から、「紙おむつを洗濯してしまったら、どうすればより良く処理できるか」というまとめをつけよう、…と思ったのですが、いろいろネットで検索してゆくうちに、新しいことを知ったりなんかして、はまってます。このネタ、まだまだ続きそうです。

紙おむつの中の観察

紙おむつを切り開いてみました。シートの中は、綿のようになったパルプの中にポリマーが散らばって配置されている、といった感じでした。もっと、まとまってどさっとつぶがあるかと思ってましたけど、そうではないようです。よく考えてみれば当たり前です。だって、パルプがあるからこそ、ポリマーをその場所に保持していたり(ざらざらとずれてゆかない)、通気性とか、パンツらしさとか保てるものですから。

というわけで、ポリマーのつぶつぶががたくさん採れるぞ!と期待していたのに、採取できたものはほんのこれっぽっち。集めても、小さじ半分もないでしょう。けれども、実験はなんとかなりそうです。見た目、一粒の直径は0.5ミリもなさそうなくらい、小さいです。

切り開き状態ではありますが、実際におむつに水をかけてみました。パルプの白い枝葉に、透明な雪がからまったように、吸水性ポリマーは水を含んで膨張してゆきます。

プリンカップに採りだしたほんの少しのポリマーにも、水を含ませてみました。みるみるうちに膨張し、白い小さな砂つぶのようなものそれぞれが、どんどん水を取り込んで、直径3〜4ミリ程度の、透明なぶよぶよした塊になったようです。

そう、ここで、「逆さにしても落ちません〜」なんてやろうとしたら…、こぼしてしまいました(も…、もったいない!)。おむつのポリマーは逆さにしても落ちます! 水が多すぎたからなのか、どうなのか、3〜4ミリのつぶが、それ以上手をつないで凝固することは、どうやらなさそうです。考えてみればこれも当然でした。おむつの中で、巨大で固い塊となってしまったら、おしっこをした後、おむつもある形に固まってしまい、歩きにくいったらありはしません。水分を吸収したポリマーがおむつのパルプにからまって、もそもそ動く程度くらいが、おむつに適しているのでしょう。割りばしでかきまぜましたら、こんなふうになりました。

これを、(A)とします。

塩をかける

さて、同様に、ポリマーに水を含ませたものに、いよいよ、塩をかけてみました!
水がしみ出ない程度に、モロモロ状態のポリマーに、塩2つまみ程度です。この実験は、分離した水がわかりやすいよう、四角い平たい入れ物を使いました。この入れ物の中で、下側にあるのが水を吸ったポリマー、上が食塩(まぜる前)です。

次に、割りばしでまぜてみました。すると、塩分濃度を薄めようと、どんどん吸水したポリマーから水が出てきます! そして、ポリマーは小さくなってゆき、あたかも、水に溶けているかのようです。けれども、水に完全に溶けて見なくなるというよりは、濃い塩水(多分)に、なにか小さなものがふよふよ浮いてる、といったイメージ(見た目)です。

この写真では、右上が水を取られたものの、まだある程度膨張しているポリマー、下に、塩水がたまっています。でも、この水の中にも透明なポリマーが少し浮いています。
これを、(B)とします。

確かに、これが「溶けた」といえばそう見えるかもしれません。けれども、これは、ほんの少しのポリマーに直接塩をかけたから、そう見えるだけでしょう。

ポリマーが多量に洗濯機に散乱し、洗濯物に付着した場合、大さじ1〜2杯とかの塩を投入しても、すすぐ段階になって、すすぎ水を入れれば、塩水の濃度はかなり薄くなってしまいますから、ポリマーを小さくするには、あまり効果はないと思われます。脱水後の洗濯物に塩を直接かけるのも、あんまり現実的でありません。全体にゆきわたらないですし。そうなるならば、別に、塩を投入せず、普通にすすいだ方と変わらない、かもしれません。もちろん、ちゃんとしたことは、ポリマーの量、水の量、塩の量、そしてすすぎ水の量など測ってみないと、言えないでしょう。このあたりが家庭における、器具も何もない、慌てたいいかげん実験です(ナメクジに塩をぶっかけたら縮んだ、という観察と同じレベルかも…)。

お湯をかける

水を含ませたポリマーに、
(C)さわって熱い!となるお湯
(D)わかしたばかりの熱湯
をかけてみました。

(C)
どんなお湯をかけようか考えましたが、普段、紙おむつは、体温約37度のおしっこを吸収してるわけですから、40度のお湯をかけてもあまり普段と違いはないでしょう。また、洗濯する場合、あまり高温すぎても、洗濯機や湯沸かし機(や家計)に負担です。ありえません。そこで、適当な温度計がないので、さわって確かめ、ですが、お湯が沸く前に手をつっこんで、「あちい!」ってなる程度のお湯を、まずかけてみました。多分、50度くらいです。


右がお湯をかけたもの、左がかけてないものです。お湯をかけると、ほんのりプリンカップが暖かくなりました。けど、ポリマーはより水分を吸収しようとしているようですし、入りきれない水が残って、つぶつぶの接触が、単にゆるゆる状態になっただけ、に見えます。大きなつぶが壊れるようには全く見えません。

(D)
あとは極端例です。なべで沸騰させたお湯をもってきて、ざばっとかけました。思ったよりもかけすぎました。けど、結果は(A)とあまり変わりません。

左が熱湯をかけた方です。かけすぎて、水っぽくなってますが、中のポリマーのつぶは、特に壊れた様子は見えませんでした。

よって、熱湯くらいでは、すぐにはびくともしないようです。

乾燥させる

最後に、
(C)のお湯をかけたもの→すぐに冷めて水分が増えすぎ状態のもの、
(A)最初に水を含ませただけのもの、
(B)塩を入れて、水がかなり分離したもの(四角いいれもの)
を、ベランダに放置しました。この日は、実験をスタートさせた午前9時頃には20度を越え、日中の最高気温は27度にもなった、暖かいを通り越して暑い一日。洗濯物もすぐに乾きます。

乾燥してゆくのでは? と想像したのですが、意外な結果が得られました。午後になって様子を見てみると、(C)の、水を含んだポリマーのつぶつぶが水でびしょびしょ状態のものが、なんだかゆるゆるになっています。球の形状が壊れてしまっているのです。多分、それほど蒸発して水がなくなってはいないので、ポリマーは相変わらず水をつかまえつつ、ゼリー状を保ってますが、大きい分子内(球)のつながりがくずれはじめているからなのか、はじめにあった球はほとんどわからず、ゆるゆる状なのです。まるで、ポリマーの球が水に溶けはじめたよう。これなら、衣類の繊維にもからまらず、水でざ〜っと流せそうです。

(A)の水分がほどよいくらいのものも、球の形状を(A)よりは保っていましたが、これも、夕刻頃にはゆるゆるゼリー状になってしまっていました。


写真下の2つのカップ、左が(C)、右が(A)です。水を入れた直後に割りばしでまぜた時は、球が集まったモロモロ状態でしたが、それが全く見えません。透明になって表面も平らです。

紙おむつ内でも、こういうことが起きてるのでしょうか? おむつでは、周囲を綿のようなパルプ、さらに、防水シートで覆われてますから、ゆるゆるになってしまっても漏れたりしませんから、問題はないでしょうけど、意外ともろいなぁ〜、という印象を受けました。

一方、塩を入れた(B)の四角い入れ物は、ポリマーから分離した塩水の方は水が蒸発し、塩のつぶや、ポリマーのつぶが残って入れ物にへばりついています。乾燥が進んだようです。

紙おむつを洗濯してしまった日、空の洗濯槽をすすいで脱水したら、ちいさいつぶが洗濯槽の内側に細かくへばりついたのは、脱水の衝撃(?)で壊れて小さくなったポリマーが、水をとらえきれずにすぐに乾いてしまった、と考えました。また、洗濯物に付着したものも、乾いた頃にはぱりぱりに乾燥してました。今回実験しませんでしたが、水を含んで球になったポリマーを壊してみたり、単体で乾燥させてみることをやれば、そう考えたことの検証ができた、かもしれません(残念)。

ちなみに、もっと(まる一日以上)放置したところ、
(C)はあいかわらずゆるゆるゼリー状。なんとなく量が減った(少しは水分が蒸発した)ようにも見えます。
(A)は水分がかなり蒸発して、ポリマーが見えてきて、コップの底にくっついている
(B)は水分はほとんどなく、ポリマーと塩の結晶が混じって入れ物の底にくっついている
という状態になっています。

結果のまとめ

紙おむつを洗濯しちゃった場合、どのようにすれば効果的に、散乱した吸水性ポリマーを除去できるかを考えるため、紙おむつに含まれる吸水性ポリマーについていくつか実験をしてみました。

  • 水を含んだポリマーに塩を加えると、水は、塩分濃度を薄めようとして、塩の方に移動しポリマーは縮む
  • 水を含んだポリマーにお湯をかけても、すぐに壊れたりはしない
  • 水を含んだポリマーを数時間放置すると、球体が壊れてゆるいゼリー状態になる。

ただし、水分は蒸発しにくい。

という結果が得られました。

といったところで、ネットであれこれ検索してゆくうちに、吸水性ポリマーが「何に弱い」のか、書いてあるところがちらほら見つかってきました。次回はそのあたりを、それでなんとかまとめて終わりにしたいなぁ〜、と。