2年間、「ときわサイエンスカフェ」という講座をやってました。気づけばこっちに何も報告してませんでした。
cafemito.exblog.jp
上のサイエンスカフェ水戸のブログの方におおよそのことは書いてあるのですが。きっかけは、地元の方に「市民センターの講座としてサイエンスものを」という相談を受けたからです。
水戸に来てこれまで、ほぼ自分一人でまちなかのお店を探してサイエンスカフェを数回やってきましたが、どうにも疲れていたのでここ最近はサイエンスカフェ水戸の活動は放ったらかし(=自分から進んでやらない)にしてました。なので、お話をいただいた時はとてもありがたかったです。市民センター側が、受付や会場提供(無料)をやってくださるので、その分の負担が減るのも助かりました。
最初の年度は全10回(うち、私が担当したのが3回なので、外部ゲストは7名)、2年目の昨年度は半分の5回行いました。
場所は市民センターの会議室でしたから、会場レイアウトとしては講義を聞くような形のままにしました。コーヒーはセンター備品のコーヒーメーカーを使っています。極力、理想のサイエンスカフェを追いかけることによる無理、は、やらないことにしました。
ありがたいことに、サイエンスカフェに集まったみなさんはサイエンスに興味がある方がほとんどで、質問もたくさん出て、各回ともけっこう盛り上がったと思います。
先々月の2月が最後の回だったのですが、「終わってしまって残念」といった声もいくつかいただき、開催したことが参加者のみなさんのためになってよかったなとほっとしました。
ざっくり経緯といただいた感想を書いてしまうとこんな感じです。
でも、反省もいろいろありました。私個人の負担が減ったとはいえ、複数のゲストを探してくる役割は私にありました。謝礼が出たのでお願いしやすかった面もありましたが、本当にそのやり方でいいのかといった葛藤もなかったわけではありません。あとは、受講される方が4月の募集の時点で締め切られること、1回のみの参加といったのが原則として認められないこと、このへんは、楽にしたいと思って選んだ市民センター側の運営の事情によります。そして、実際に集まった数が開講ギリギリの人数だったこと、もあります。楽できるように工夫も手抜きもありましたが、全てがスムーズに行ったわけではありません。
(余った受講費で買って、最終日にみなさんにお配りしたお菓子です)
何度かここに書こうと思っては手がつけられないネタがあって。それが、サイエンスカフェを続けることの限界です。
一人でやることがしんどかった。場所探し、ゲスト探し、広報、お金、当日の司会、など。全てが大変だった。
水戸なんて、歴史と芸術とスポーツが幅をきかせていて、サイエンスのイベントをやったって誰も集まらない。(ジオパーク認定取り消しがよく表してる気がする)
ある界隈では、「サイエンスコミュニケーションが大事」とか「コミュニケーター何やってんだよ」みたいに言われるけど、もう本当に誰も助けてくれないし誰も関心ないし。
他にやること(うちのこととかバイトとか路線バスとかバンドとか)、やらされてること(PTA役員で委員長とか)、やりたいことじゃないことでもけっこう手いっぱいだしスキルも発揮しなきゃならないのに、どうしてここまで苦労して実にならきゃ見向きもされない、金にもならないことをやらなきゃならないんだろうと思ったりします。せっかく学んだのにここに至るというのは、サイエンスコミュニケーションを推進してる方にとっては意外な話かもしれませんが。
ときわサイエンスカフェは、そういった中でも私の活動を欲しているし、手伝ってくれる方がいたこと、おもしろいと思ってくれている方がいらっしゃることがわかった、貴重でありがたい機会でした。それでも、そうやって集まってくださる方も、水戸市外を含めても10名程度ではもう限界でした。良かったと言ってもらえることも多かったですが、「この内容(私の準備不足による)では満足いってもらえないだろうな」と思うこともありました。全体的にという時もあれば、レベルによってという時もありましたし。他地域で開催されたサイエンスカフェに、参加者が満足してもらえない時がある、という反省は聞いたことありませんが、自分としてはこんな状況(自分自身の多忙さによる打ち合わせ不足など)で続けていいのかというのもあります。
ゲストの方は「また呼んでください」と、お金抜きでもありがたいことをおっしゃってくださった方も多くいて、まだまだサイエンスコミュニケーションは研究者に完全には嫌われてないんだなと思ったものですが。それでも、全てをうまく、一人きりで調整するのは無理なのです。
というわけで、一部の受講者の方には「来年度も」と言われたのですが、やっぱり一度はやめにしようと思いました。休んだら終わりかもしれませんが。そのくらい、今は、サイエンスコミュニケーションにはあんまり期待しなくなりました。かの方が突然に亡くなってもうすぐ1年。横のつながりを維持したり、相談したりといったことも、以前に比べると随分と減ってしまいました。
サイエンスな個人活動としては、請われれば手伝いに行きますし(今もとある課の相談には乗ってます)、#関東雪結晶 みたいな個人参加のおもしろプロジェクトには手を出しますが、そんな感じですかね。